手のひらがムズムズとかゆい。
虫刺されといった様子もなく原因が思い当たらない。
手の皮膚に原因があることもあれば、肝臓などの臓器に疾患があるときのシグナルだったりする場合もあります。
今回は、ちょっと気になる手のひらのかゆみについて深く掘り下げてみたいと思います。
手のひらがかゆい理由とは?
まずは、かゆみが起こるメカニズムからご説明します。
皮膚の表面に、アレルギー物質が付着したり、何らかの刺激が加わると、皮膚の表皮・真皮の奥深くにある知覚神経で、マスト細胞から、ヒスタミンというかゆみを感じる物質が放出されます。
そのヒスタミンは、脳に伝達され、「かゆみ」として認識されます。
強いかゆみを感じ、その部分をかいてしまうと、ヒスタミンはさらに分泌され、かゆみの部位が広がってしまうという悪循環を起こします。
特に手のひらは、家事や水作業などで、外部刺激にさらされるリスクが高いため、手のひらのかゆみを訴えることがよくあるのです。
手のひらのかゆみ…考えられる病気とは!?
次に、手のひらに起こり得るかゆみの病気について考えてみましょう。
手湿疹
水作業が多い主婦や調理師、頻繁に化学薬品を使用する機会がある理・美容師に多い手湿疹。
水や薬品が刺激になり、皮膚の乾燥を引き起こします。
皮膚が乾燥すると、あかぎれの状態になり、ひどいかゆみが出ます。
手のひらの汗疱
手のひら中央部に水膨れのようなブツブツができます。
ひどいかゆみがあり、かきむしると膿が出て、皮膚がめくれることもあります。
手のひらは汗をかきやすく、汗の刺激による炎症だと考えられます。
肝臓病
肝炎や肝硬変などの肝臓に疾患がある場合、黄疸とともに、かゆみが出ることがあります。
詳しい原因はまだ不明ですが、とある実験で、皮膚に胆汁酸を注入したところ、かゆみが出現したそうです。
つまり、肝臓に疾患があると、血液中に胆汁酸という物質が増加し、全身の特に手のひらがかゆくなると考えられています。
腎臓病
腎機能が低下すると、本来は尿に排出されるべき毒素が、体内に沈着し、皮膚トラブルとしてかゆみが出現します。
また、腎臓病は、皮膚が乾燥しやすくなるという特徴があります。
乾燥した皮膚はかゆみを感じるようになります。
手のひらのかゆみが続くとき
湿疹やブツブツがあるときは、皮膚科を受診したり、市販の抗ヒスタミン薬やステロイド剤などのかゆみ止めを使ってみましょう。
皮膚が乾燥しやすくなっているので、丁寧な保湿ケアも有効です。
どうしても水仕事を避けられない人は、こまめにハンドクリームを塗ることで改善することがあります。
しかし、長期間に渡ってかゆみが続く、または、薬を塗ってもなかなかよくならない場合は、
内臓疾患が原因のかゆみかもしれません。
鏡を見て、白目や皮膚の色が、黄色味がかっているときは肝臓を検査してみましょう。
肝機能は血液検査で数値として表れるので、内科を受診しましょう。
肝臓は、沈黙の臓器と言われ、自覚症状が出る頃には、症状が悪化していることもあります。
腎臓に不安があるときは、泌尿器科の尿検査で判明します。
少しでも思い当る節があれば、早めに専門医を受診するようにしましょう。
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