ご飯を美味しくいただけるのは、とっても幸せなこと。
胃は、食べ物に胃酸を出して、栄養を吸収しやすくなるための消化を促す働き者の臓器。
その胃が不調だと、食事も喉を通らなくなってしまいます。
力が湧かなくなって、段々と仕事にも影響が出てきますよね。
胃の辺りに何となく違和感を覚える胃熱。
胃熱とは、どういう症状を言うのでしょうか。
胃熱とは?
みぞおち辺りに、熱を持った感じがありませんか?
それを東洋医学用語で“胃熱”と呼びます。
胃熱の症状としては、胃が焼けるような灼熱感があります。
胃の熱い空気が気道を通って上がってくるので、胸焼けや口臭・顔が火照る感じも伴います。
しかし、胃熱は食欲が異常に出るので、食べ過ぎてしまいます。
そのため、胃酸を過剰に分泌するようになってしまい、胃が焼ける感じがなかなか取れなくなる悪循環を起こします。
また、熱を持った状態を改善しようと、喉が渇くため、水分をたくさん摂るようになります。
胃熱の原因
食べ過ぎや飲み過ぎで、胃酸の分泌が追い付かず、消化不良を起こすことから始まります。
それでも、食欲が落ちないため、更に食べてしまいます。
胃に残った食べ物を消化しようと、胃自体に影響が出るほどの胃酸が過剰に分泌されます。
胃が炎症を起こし、その部位に熱を感じるのです。
クールダウンをさせようと水分を過剰摂取すると、一旦、胃酸の濃度は薄まりますが、消化不良の状態は悪化してしまいます。
悪循環となる前に症状を抑えるようにしましょう。
胃熱を改善したい!
胃熱は生活習慣を見直すことで改善します。
- 暴飲暴食を避け、咀嚼を十分に
胃への負担を考えると、もう少し食べたいと思う所で食事を終わるのが一番良いとされています。
早食いを避け、食べ物が分解しやすくなるように、30回ほどよく噛むようにしましょう。
- ツボ押し
神経のつなぎ目であるツボ。
全身に670か所ほどあると言います。
体の不調があると、ツボが硬くなります。
お灸やツボ押しなどで、緊張状態のツボを柔らかくほぐしてあげることで、神経の興奮が落ち着き、ツラい状態を改善することができます。
胃に良いツボ
- 背中側にある胃愈
腹部のみぞおちからおへそにかけたライン上にある天枢
足の示指と中指の真ん中の水かきの部分にある内庭 などがあります。
軽く押して、痛くて気持ちいいと感じる所をマッサージしてあげましょう。
- 漢方薬
中国医薬で処方される漢方薬。
体に備わった自然治癒力を最大限に発揮することを目的とした、動植物を原材料とした薬です。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
胃が熱を持ち、膨満感があるときに、胃の調子を整える役割があります。
- 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
胃熱のために喉が渇くことを改善します。
胃から空気が上がってくることによる口臭を防ぎます。
- 安中散(あんちゅうさん)
胃酸の分泌を正常に整えます。
その他にも、胃の不快感によく効く漢方薬は数多くあります。
薬局やドラッグストアでも手に入りますが、内科や胃腸科の医師と相談の上、服薬したほうが良いでしょう。