血尿とまではいかないけど、尿に少し赤いものが見えるような・・・!?
それは、おそらく尿潜血です。
筆者も妊娠中、検診で何回か尿潜血が陽性になったことがあります。
今回は、尿潜血の原因や可能性のある病気などについてまとめました。
血尿と尿潜血の違い
尿にごくわずかな血が混じっていることを尿潜血といいます。
肉眼ではっきりと認識できる血尿とは違い、血が混ざっているといっても、素人目にはわからないレベルです。
⇒血尿の色で病気が決まる?茶色やオレンジ、ピンクのときの病気は何?
自分では気づかないので、健康診断で初めて知るというケースが大半です。
女性は生理直後に少量の血液が混ざって尿潜血になる場合もあります。
「要治療」の割合は低いけれど・・・
尿潜血に陽性反応が出た人のうち、60%が原因不明のため経過観察となっています。
さらに二次検査で原因が特定できるのが40%、治療が必要なのはそのうち40%弱という数字が出ています。
尿潜血が出たからと言って、すぐに心配することはなさそうですね。
しかしながら、尿潜血にはすぐに治療が必要な大きな病気が隠れている場合があることも事実です。
尿潜血から考えられる病気
尿潜血は過労などからくる一過性で害のないものもありますが、稀に病気が潜んでいることがあります。
考えられる主な病気は次の通りです。
- 腎臓 急性・慢性腎炎、腎結石、腎膿瘍、遊走腎
- 尿管 尿管結石、尿管腫瘍、尿管異物
- 膀胱 膀胱炎、膀胱結石、膀胱腫瘍
- 尿道 前立腺炎、前立腺腫瘍、尿道炎
- その他 白血病や紫斑病などの出血傾向のある病気、溶血性疾患
尿潜血が陽性となる病気の多くが、他に自覚症状を伴わないという特徴があります。
健康診断のたびに尿潜血が出ていたものの放置していた結果、腎不全を引き起こしており、それ以降透析を余儀なくされたというケースもあります。
特に、膀胱がんなどの尿路にできるがんは、尿潜血から見つかることがあります。
自覚症状がなくても、一度病院を受診しましょう。
子どもにも多い
実は、尿潜血は幼児や小学生ぐらいの子どもにも見られる症状です。
検診のたびに尿潜血が出て、検査を続けているけど原因がわからないというケースもよくあります。
朝いちばんの尿に潜血がある場合は腎臓などに病気がある可能性もありますが、日中(活動時間中)の尿は、腎臓が圧迫されたりして潜血が見られることもあり、ほとんどが異常なしという診断を下されるようです。
受診するなら内科か泌尿器科
もし女性で泌尿器科に行くのに抵抗がある方は、内科を受診してください。
近くに腎臓内科があれば一番いいですね。
精密検査を受ける場合、設備の整った総合病院に行くのが最善でしょう。
また、子どもさんの場合はまずかかりつけの小児科に相談に行きましょう。
病院での対応
再検査でも陽性になり、持続的に尿潜血が認められる場合は、尿を遠心分離器にかけて赤血球数を詳しく見る「尿沈査」という検査を行います。
超音波検査や腎生検などを行う場合もあります。
健康診断で尿潜血と言われたら、一度病院で検査を受けましょう。
何もなければそれで安心できますからね。