スヌーピーでおなじみの漫画「ピーナッツ」に出てくるライナスというキャラクターをご存知でしょうか。
いつも青い毛布を肌身離さず持っていて、毛布がないとパニックになってしまうという男の子です。
この「ライナスの毛布」は、別名「安心毛布」とも呼ばれ、こういった症状の人を「ブランケット症候群」と呼びます。
身近な現代病とも言えるブランケット症候群について、調べてみました。
ライナスが語源「ブランケット症候群」
ブランケット症候群とは、常に特定のものを持っていないとパニックを引き起こす一種の依存症で、それにいつも触れていることで精神が安定し、不安を回避できると考える症状です。
小さな子どもは、誰しも母親のおっぱいやお気に入りのぬいぐるみなど、何かに執着することで安心感を得ていますが、成長するにつれ、多くの人はそれらから次第に卒業し離れていきます。
しかしながら、大人になってもそれができない人や、いったんは離れても大人になってから新たに執着する物が出てくる場合もあります。
ブランケット症候群は、こういう場合にあてはまります。
ブランケット症候群になる原因
このように、いわゆる「愛着」というレベルを通り越した物への執着はいったいなぜ起きるのでしょうか。
一番は、なんらかの不安から自分を守るために特定のものにすがって不安を解消しようとすることにあります。
または、幼少期に経験したトラウマや、不安、寂しかった気持ちなどの表れとも取れます。
対象は、人形やおもちゃなど、いろいろとあるようです。
まさにライナスのように、子供の頃から使っている毛布を、ぼろきれのようになってもずっと大事にしているという人もけっこういるようです。
案外すんなり卒業できるかも
「こんなボロボロの毛布、もう捨てたいのにどうしても捨てられない」
「恥ずかしくて旅行に持って行けない」
こんな悩みを抱える方もいることでしょう。
ブランケット症候群を克服した人の意見を見てみると、「どうしても捨てられずにボロボロの毛布と一緒にお嫁に行ったけど、子どもがうまれてからはどうでもよくなった」など、成長したり環境が変わることで卒業できるケースが多いようです。
あれだけ固執していた物なのに、やることや考えることが多くなると、どうでもよくなるという意見もありました。
このように、いつかはきっと自然にお別れするときがきます。
今はまだ手放せなくても、それはそれでいいんです。
捨てられないということは、自分が安心を得るために、まだそれが必要な存在ということ。
逆に、深刻に考えるほうが依存が強まってしまい、余計に離れられなくなることもあります。
今の自分がリラックスするために必要なものと捉え、気軽に考えてください。
卒業したいなら
いつか自然にお別れのときがくるとはいえ、早く卒業したいということなら、多少荒療治になりますが方法はあります。
家族に頼んでその物を隠してもらうのです。
すでに実家を離れている人は、実家に送ってしまいましょう。
初めは数日でもかまいませんので、その物と離れている時間をどんどん長くしていきます。
1週間、1ヶ月・・・。
気が付けば、それ無しでも普通に生活できるようになっているはずです。
早く卒業したいけど自力では無理だった、専門家になんとかしてもらいたいという方は、病院を受診してみるのもいいかもしれません。
ただ、ライナス症候群はあくまで「特定の物を手放せない状態」を差した言葉であって、病名ではありません。
必ずしも治療が必要なわけでもありませんが、どうしてもという場合は心療内科や、かかりつけの内科で相談してみるとよいでしょう。
誰でも「これをすると落ち着く」という自分のリラックス法があるものです。
たしかに、ちょっと人には言いにくい、見せにくい物かもしれませんが、そんなレベルで捉えていいと思いますよ。