スマホの使いすぎ、パソコンでの作業、スポーツでの過負荷。
腱鞘炎は現代病ともいうべき病気となってきています。
そんな腱鞘炎、なかなかすっきり治ってくれず、どうしたらよいのか、今の治療方法であっているのか、などと不安な方も多いはず。
この記事が皆様の悩みに少しでも役に立てば幸いです。
湿布の使い方
ご存じの方も多いでしょう、湿布には「冷湿布」と「温湿布」があります。
問題は、どちらを使えば効くの?ということでしょう。
まず、「筋肉痛は冷やすor温める、効果的なのはどっち?湿布は温感、冷感どっち?」でも解説していますが、基本事項として両者の違いを確認しておきましょう。
冷湿布
冷湿布は通常、抗炎症成分に、メントールなどの冷感成分を加えています。
貼り付けられた部分の皮膚温度を下げるため、その周辺の血流が悪くなります。
そのため、血流悪化による症状(肩こりなど)に対しては、余計に悪くしてしまいます。
一方で、急性炎症症状(骨折、打撲など)に対してはよく効きます。
温湿布
温湿布は通常、抗炎症成分に、カプサイシンなどの温感成分を加えています。
貼り付けられた部分の皮膚温度を高めるため、その周辺の血流が良くなります。
つまり、肩こりや、筋肉をほぐすのに効果があるのがこちらの温湿布です。
急性症状が冷湿布なのに対し、慢性症状(慢性腰痛、肩こりなど)には温湿布が適していることが多いです。
両者とも、基本的な貼り方は、症状のある部位で構いません。
一部温湿布などは、症状の根本原因となる箇所で、特に痛むわけでもない場所に貼ったりすることもありますが、そういった貼り方は医師などから別途指示があった場合のみ行って下さい。
では腱鞘炎の時に使うべきなのは?
冷湿布と温湿布の基本を押さえたところで、では腱鞘炎の場合にはどちらを選択すべきでしょうか。
答えは、ケースバイケースといえるでしょう。
つまり、腱鞘炎を発症して数日以内の急性期や、しばらくマシになっていたけど油断してたらぶり返した、などというときには、急性炎症を抑えるため、冷湿布が適していると言えます。
オススメの冷湿布は、インドメタシン配合のものです(下記リンク参照)。
但し、インドメタシンは湿布に使われている抗炎症剤の中では強い部類に入ります。
妊婦や妊娠を考えている女性は、赤ちゃんに心臓奇形が生じる場合があるので、インドメタシン配合の湿布は使わないで下さい。
胃腸が弱い方や喘息をお持ちの方も、インドメタシン配合の湿布は避けて下さい。
しかし、ずーっと冷湿布を貼って安静にしていたからといって、必ずしも治るわけではありません。
動かさずにいたら、筋肉は衰えてきますし、そうなると腱鞘炎にとってもよくありません。
急性期を通り越したら、温湿布を使うこともあるでしょう。
温湿布は、炎症にはよくありません(温めると痛みが増強する)が、血流がよくなることにより、細胞の回復能力は上がります。
目安としては、急性期の痛みがマシになってきたこと、お風呂に入っても痛みが増強しないことなどが挙げられます。
湿布を使わずに冷やしたり温めたりする場合
湿布だと、抗炎症成分も入っているので、痛みがマシになりやすいです。
しかし、単に冷やしたり温めたりするのが目的であれば、湿布でなくとも、氷嚢や入浴で構いません。
冷やすのと温めるの、どちらがよいかについては、湿布の時と同様です。
急性期には冷やすのがよいでしょう。
但し、氷嚢や保冷剤を用いる場合、冷やしすぎないように注意してください。
また、慢性期には温めるのがよいでしょう。
温める場合には、不必要な抗炎症成分が入っていない、ただの温感湿布や水蒸気で温かくなるグッズの方がいい場合もあります(痛みがほとんどない場合など)。
放っておいて自然治癒で腱鞘炎を治したい
とはいえ、腱鞘炎を「何もせず」治すことは難しいと言えます。
「薬を使わず治す」や「手術をせずに治す」だけであれば、専門家の指示に従ってストレッチをしたり、鍼灸を利用したりして症状を改善し、気長に根治を目指す方法もあります。
ストレッチについては、下記動画のように、炎症部位を使わないもの(より体幹に近い部位)のストレッチが無難でしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=KUYAVnTc9E0