唾液は、生きていれば毎日出るものです。
しかし、出過ぎて少し困った、なんてことありませんか?
出過ぎる、といっても口の中に常に溜まっていて飲みこまなければならないのが不快、というレベルのものから、気付くと口から流れ出てしまっていて、普段の生活でも不便する、というものまでさまざまあると思います。
これらはまったく心配ないものもあれば、病気の可能性もあります。
チェックしながら見ていきましょう。
唾液って何のためにあるの?普通はどのくらい出るの?
一日に、1~1.5ℓほど分泌されます。
中学生くらいの頃に、ご飯に唾液を混ぜてヨウ素液を加え色の変化を見る、という実験をしたことはありませんか?
ご飯そのものは赤紫色に染まるのに、唾液を加えたものは染まりません。
これは、ご飯の中にあるデンプンを、唾液が分解するからです。
これが消化の一段階目であり、ここで良く噛んで唾液を分泌し、デンプンの分解をしておかないと、続く、胃での消化に負担をかけてしまいます。
つまり、唾液が不足していると、この消化もしにくくなってしまいます。
さらに、水分の少ないパンや焼き菓子などを食べる時に、唾液が少ないと嚥下がしにくくなってしまいます。
唾液はそれを助ける働きもします。
唾液が多いのは病気?
赤ちゃんを見ていると、常にだらだらとよだれを零していると思います。
これは、若い時ほど唾液の分泌が多くなるからです。
唾液が普通より少し多い程度ならば、虫歯や口臭の予防にもなりむしろ良い事とされています。
しかし、唾液過多症が病気の前兆である場合もあります。
特に、生活に支障がでるほど、だらだらと口から零れてしまう場合には注意が必要です。
嚥下不良
なんらかの原因によって嚥下が困難になっている場合、唾液を呑み込むことができずに自然と口の中に溜まります。
唾液が多いというよりは、飲みこめない、という方が正しいですが。
病院へ行き、正しい診断と適切な治療を受けましょう。
妊娠、悪阻、胃の冷え
悪阻の症状の一つに、唾液過多があります。
悪阻の唾液過多症は、胃が冷えている状態にあるから、とも言われています。
妊娠している場合も、妊娠の可能性が無い場合も、漢方で症状を緩和する方法があります。
ただし、妊娠している方は特に、専門医に処方してもらいましょう。
また鍼灸なども効果が期待されます。
悪阻の場合は、吐き気、嘔吐も併発している場合が多いので、脱水症状にならないように気をつけましょう。
辛くても水分を小まめにとり、あまりに酷い時は医師に相談しましょう。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れで、唾液過多になることもあります。
吐き気を併発する場合もあります。
こちらもきちんと医師の診断を受け、治療していきましょう。
虫歯や口内炎
口内で炎症が起きていますと、自然と唾液は多くなります。
唾液は、すっぱいものを思い浮かべたり、おいしい料理を見たりするだけで簡単に出ます。
なので、痛みで口内が刺激されたりすれば、自然と出るのです。
唾液が多いと、口内の洗浄にも役に立ちます。
しかし、出来ている場所が悪いと、単純に口を閉じたりすることが困難で、唾液が流れ出てしまうこともあるでしょう。
虫歯は自然に治りませんのでもちろん歯科医院へ、口内炎は、うがい薬やリステリンでよくうがいすることで早く治す事ができます。
あまりに酷い時は、歯科医や口腔外科へ行って、薬を貰ってきましょう。
私の経験上の話ですが、塗り薬が一番よく効きました。
その他の病気
症状の一部として、唾液過多症を起こす病気は多くあります。
また、上記で書いた通り、嚥下機能に問題がある場合でも、唾液が多くなったと感じることも多く、それを含めると考えられる病気はかなりの数に上ります。
一部としては狂犬病、脳血管障害、脳腫瘍、パーキソン病など命に関わる病気もあります。
また、麻薬や覚せい剤の薬物中毒者が涎を気にせず流しているシーンが漫画やドラマで見られますが、実際に薬物中毒者はあのように涎を流すそうです。
基本は正常、しかし時々とんでもない病気が隠れてることも?
何度も言いますが、人より少し多いくらいでしたらそれは正常な状態である可能性が高いです。
しかし、日常生活でそこまで量を気にすることもない唾液が、ふといつもより多いな、と気になるくらいというのは異常な状態である可能性もあります。
病院を受診して、症状を説明し、原因を明確にしておくことが大事です。
唾液が甘かったり、しょっぱかったり、臭かったりする場合は、こちらの記事も併せてご覧ください。