ふと気付くと、そう言えば最近、トイレに行っている回数が少なくなってきた。
尿意はあって辛いのに、まったく排尿することができない。
激しい痛みがある、勢いが弱い、など、明らかに病変を感じる異変であるにも関わらず、一体、自分の身体に何が起こったか想像もつかない方も多いでしょう。
膀胱や尿道が原因なのか、何か他にあるのか…。
また、徐々に量が少なくなっていった場合、気付きにくいということもあります。
今回は、尿が出なくなったという症状で考えられる病気を調べてみました。
尿の出る仕組みとは?
通常、尿は腎臓で作られ、腎盂と尿管を通って膀胱へ運ばれます。
膀胱に尿が溜まると、出口の筋肉が緩み、尿道を通って排泄されます。
これらの器官に異常があると、排尿がしにくくなったり、まったくできなくなったりするのです。
男性なら前立腺なども影響します。
尿が出なくなる病気、対処法
尿が出なくなる病気には、大きくわけると排泄する器官がなんらかの炎症で詰まってしまい出なくなる場合と、なんらかの原因で、尿を作る腎臓などが不全になり、尿が作られなくなる場合があります。
まったく尿が出ない、という症状でなくとも、一回の量が少ない、二股に分かれる、勢いが弱く血が混じる、などの症状がある場合も合わせて見てみましょう。
水分不足、脱水症状
単純に、水分が足りない場合もあります。
気温が高い時、運動をしている時など水分を摂っているのに、それ以上に汗が出てしまって飲んでいる量のわりにまったくトイレに行っていない、なんていう時もあるでしょう。
めまいや手足の痺れなどの症状が出てきたら要注意です。
水分を補給して、念の為、病院へ行きましょう。
⇒水分補給は水、お茶、麦茶、スポーツドリンク、ジュース、どれがいいの?
神経因性膀胱
排尿をコントロールする神経の伝達がうまくいかず、時間がかかったり、力まないと出てこない、うまく排尿できないなどの症状が出てきます。
また、完全に尿が出なくなってしまう場合もあります。
他の合併症や、排便障害などの有無も調べながら、投薬治療などを行っていきます。
尿道が狭くなっている、または圧迫されている
尿道が、炎症や外側の器官の炎症による圧迫など、なんらかの理由で塞がれている場合、尿が出なくなります。
前立腺肥大症
男性特有の病です。
尿の勢いが弱く、出にくくなる場合があります。
他にも、夜間頻尿、尿を我慢できなくなる、残尿感、などの症状もある場合があります。
加齢と共に増え、高齢の方の半数以上が罹る病気です。
漢方や薬物、レーザー治療などの外科的手術をしていきます。
医師と相談して、適切な治療を見つけていきましょう。
短時間で大量にアルコールを摂取する、身体を冷やす、長時間の座位などは発症のリスクを高めると言われています。
生活習慣の改善を心がけましょう。
尿道結石
膀胱結石が尿道へ落ちることによって起こることが多い病気です
尿道に結石が詰まり、尿が出にくい、弱い、血尿などの症状が出ます。
激しい痛みを伴うこともあります。
鎮痛剤などを処方され、入院治療を行う場合も多いです。
膀胱、尿道、前立腺の腫瘍
腫瘍の場所によっては、尿の排出を邪魔し、排尿がしにくくなる場合があります。
どの腫瘍にも同じ事がいえますが、自覚症状がほとんどない事も多いです。
悪化すると、血や膿が尿に混ざることもあります。
また、前立腺がんは早期発見率が非常に高く、この状態になる前に発見される事がほとんどなので、症状が出る事は稀です。
どちらにせよ、早期発見、早期治療は大事なことですので、定期健診の他、おかしいと思ったのならばすぐに病院を受診しましょう。
子宮脱、膀胱脱
加齢と共に、子宮や膀胱が下がってきて尿道を圧迫します。
子宮がある女性にみられます。
手術が必要になる場合があります。
腎不全
もう一つは、腎臓で尿が作られなくなった場合です。
しかし、尿が出なくなるのは相当末期の場合か、稀で、それ以前に腎臓の機能低下などの自覚症状がみられる事が多いです。
https://www.youtube.com/watch?v=HALTnyaU4Ug
尿は必ず排泄されるもの!おかしいと思ったらすぐ病院へ!
尿は、体内の不要物を外へ排出してくれる大切な役割があり、身体の健康のバロメーターであります。
そんな尿が出なくなってしまうということは、何が原因だとしても大変なことには違いありません。
完全に出ない、という事では無くとも、なんとなく残尿感がある、勢いが弱い、という時も大きな病気が潜んでいる可能性があります。
色や臭いなどがいつもと違うとさらに注意が必要です。
⇒尿が臭い!原因は病気?食べ物、疲れ、膀胱炎が理由の可能性も!
何れにせよ、迷わず病院へ行き、はっきりとした診断を頂きましょう。