欠伸発作というものをご存じでしょうか?
あまり馴染みの無い言葉ですが、てんかんの発作の一種で、学童期の子どもに見られる症状です。
数秒の意識喪失があり、突然、目の前の子どもが倒れたら、とても驚いてしまうと思います。
また、自分の子どもがもしそうなったらと思っている方は多いと思います。
もし、発症してしまったら、どうやって治療するのか、または治る可能性はあるのか。
目の前で、発作を起こした子どもがいたらどう対処すれば良いのか。
代表的な症状と治療法を調べてみました。
欠伸発作とは?どんな症状?
欠伸発作とは、学童期の、特に女児に多く見られる症状だと言われています。
てんかんの発作の中でも全般発作の一種です。
全般発作とは、突然意識障害を起こすことからはじまります。
中でも、欠伸発作は、以下のような特徴があります。
- 数十秒の痙攣を起こす。
- 無表情になり瞬きが多くなる。
- 運動、行動が停止する。
- 一点をじっと見つめる、身体が前に倒れることもある。
- 前兆は無い。
- 多くは30秒以内に収まる。
- 成人のてんかんで起こるのは稀。
などです。
てんかん発作はいくつかの種類がありますが、これは小児には見られますが、成人では稀で、さらに5歳以下の乳児にも見られにくいとされています。
てんかんとは?
てんかんとは、脳の神経細胞、大脳ニューロンが過剰反応することによって起こります。
様々な症状があり、治るものもあれば、一生の付き合いになるものもあります。
遺伝が強いものを真性てんかん、脳疾患が原因で起こるもの症候性てんかんとよびます。
主な発作は、痙攣や突然の意識の喪失です。
発作にも、様々な種類がありますが、欠伸発作は、上記にある通り小児てんかんで多く見られる症状です。
原因は?治るの?
てんかんには遺伝するものもありますが、多くのてんかんは遺伝はしないとされています。
しかし、発作の起こりやすさは遺伝する可能性があります。
欠伸発作は小児の時に起こりやすく、そして適切な治療で治る可能性が高い疾患です。
抗てんかん薬などで、薬物療法を行います。
また、学童期女児に発症しやすいことから、学校などの周囲への発作の周知や、子どもの精神的な面も一緒に診てあげると良いでしょう。
また、抗てんかん薬にはグレープフルーツ等禁忌食品がある場合がありますので、学校給食やお弁当、遠足や修学旅行など対応を担任や栄養職員、養護教諭とよく相談しておくとよいかもしれません。
発作が起きたらどうすれば良いの?
しかし、意識障害ですので、倒れてしまう場合もあります。
まずは、落ちついて経過を観察します。
発作を起こした場所が、水辺や高所など、危険な場合は移動して、安全な場所に寝かせましょう。
食事中の場合は、飲み込みが弱い方ならともかく、通常はあまり喉に詰まらせることはありませんので、そのままでも平気です。
そのまま発作が収まるのを待ちましょう。
しかし、
- 30秒を過ぎても発作が続く。
- 過呼吸などを起こし、意識が朦朧としている。
- 転倒による怪我をした。頭を強く打ちつけた。
- はじめて発作を起こした、または、その人が過去に発作を起こした事があるかわからない。
という場合には、すぐに救急車を呼ぶのが賢明です。
適切な治療をすれば、大人になれば治る可能性の高い病気です
小学校の頃、そういえば時々救急車で運ばれた子が近くにいた、なんて人もいたのではないでしょうか?
欠伸発作は大人になれば自然と消えることも多い、てんかんの中では治る可能性が高い症状です。
様子がおかしい、もしかして発作を起こしている?
そう思ったらすぐに病院を受診し、正しい診断と治療を受けましょう。