職場などでの健康診断、何も問題ないと思っていたのに、尿検査で引っ掛かった!
なんてことありませんか?
原因は、蛋白尿であることも多いですよね。
しかしこの蛋白尿、他の異常と比べても、いまいち何が原因なのかわからないし、何の病気なのかもわからない、と言う方も多くありませんか?
また、再検査しても異常が無いことも多く、つい、面倒になって放っておいてしまうこともあるかも?
でも、ちょっと待ってください。
その蛋白尿、病気の前兆かもしれませんよ?
蛋白尿の原因って何?症状があるの?
そもそも、尿は腎臓にある糸球体という部分で濾されて膀胱へいき排泄されます。
この時に、蛋白質は粒子が大きく、糸球体を通過できないのです。
なので、病気が原因の蛋白尿は腎臓に原因がある場合が多いです。
また、健康な身体であっても蛋白尿が出る事もあります。
生理的蛋白尿
病気では無い、健康な人に見られる蛋白尿です。
一次的なもので特に問題はありません。
若い人などはこれが原因な事も多く、その後陽性になっても再検査に行かないことも多いと思います。
原因としては
- 激しい運動や入浴、発熱など
- 起立していることによるもの、児童に多く成長と共になくなる。
- ストレス
- 妊娠や月経
- 精液や膣分泌液の混入
など、さまざまなものがあります。
これらが原因である場合は、直接的な病変はない場合がほとんどです。
しかし、自己判断できるものではありませんので、健康診断で指摘された場合は、必ず再検査を受けることをおすすめします。
病的なことが原因である蛋白尿
尿に泡が混じるなど、日常的に異常があればこちらの疑いが強くなります。
しかし、主な原因とされる腎臓の病には自覚症状が無いものも多く、いつのまにか進行している場合もあります。
腎性蛋白尿
上記に示した、腎臓の病変の代表的なものです。
糸球体に異常がある場合と、尿細管に異常がある場合の二つに分けられます。
外来治療で投薬などを行い、長期にわたって経過を診ます。
糸球体に異常がある場合、酷い時には透析が必要になる場合もあります。
腎前性蛋白尿
腎臓の異常では無く、他の臓器や器官、悪性腫瘍などが原因で起こります。
多発性骨髄腫、溶解性貧血、心不全など、大きな病気も多く、精密検査が必要となります。
前後性蛋白尿
こちらは腎臓より下の臓器、例えば膀胱や前立腺などの異常で起こります。
腫瘍などが原因の場合もあります。
膀胱炎や、結石などで出る症状もこちらです。
日頃の食事にも気をつけて!
すぐに何か病気になるわけではないけれども、蛋白が尿に普通より多く含まれていたり、再検査では引っ掛からないのに、毎回蛋白尿に引っ掛かる。
と言う方もいますよね。
蛋白尿が出ている人は、腎臓病のリスクも上がります。
日頃から気をつけて行きましょう。
良質なたんぱく質を控えめに摂るようにしましょう
肉を食べる時にはきのこやこんにゃくを一緒に炒めたりと、たんぱく質を少し控える食事を意識しましょう。
もちろんまったく摂らない食事は不可能ですし、身体に良くありません。
筋肉をつけたり、ダイエットには高タンパクが良いと言われていますが、尿淡白が多い人は控えるようにしましょうね。
カロリーはしっかり摂りましょう
たんぱく質を制限すると、自然とカロリーが減ります。
これは、身体のたんぱく質を壊して老廃物を増やしてしまいます。
だからといって、砂糖をたくさん摂ったり、油をたくさん摂ったりすれば、体重が過度に増えてしまったり糖尿病など別の病気のリスクも上がります。
ならば何で補えば良いか。
腎臓病食を食べている方は、厳しくたんぱく質制限がかかっているので、とても多い量のご飯が提供される場合が多くあります。
あとは、高カロリーの栄養補助食品などで補います。
ここまでする必要はありませんが、せっかくだから痩せたいと思ってたんぱく質を減らしたうえに、ご飯まで減らしてしまうと身体に良くありません。
あくまでもおかずが肉や魚ばかりにならないように気をつけ、ご飯は普段通りに食べるようにしましょう。
塩分は控えめに!
日本人は、他国に比べて塩分の摂取量が多い事はよく知られています。
漬物や塩鮭、梅干しが無いとご飯がすすまない!という人も多いはず。
他にも、味噌汁を食事に必ずつけないと気が済まない!
しかし、塩分摂取量は、男性8.0g/日、女性7.0g/日が理想とされていて、これは朝晩味噌汁を飲んだだけでほとんど摂取してしまいます。
特に蛋白尿が続く人は、減塩の醤油や味噌を使用したり、最近では塩分量の少ない塩なども出ていますので有効活用しましょう。
薄い食事では味気ない、と思ってしまうかもしれませんが、出汁をしっかりと取れば薄味でもおいしく食べる事ができます。
蛋白尿だけではなく、心臓病や高血圧の予防にも役立ちますので、健康のためにも、少し意識して塩分量を減らしてみましょう。
めんどくさい、は禁物、必ずしっかりと再検査を
蛋白尿って、実は健康診断を受けていると何回か引っ掛かる事もあるくらいよくあることですよね。
偶然生理中だったり、職場で大きなストレスを抱えたまま受診したり…。
ドキドキして再検査を受けに行くと、異常なし。
最初は安心しますが、そのうち、どうせまた異常なしだろう、と思って行かなくなってしまうのでは?
しかし、健康診断に毎回、尿検査があるように、尿とは病気のバロメーターになるのです。
どんな病気でも早期発見が、早期回復の鍵です。
必ず受診して、しっかりと原因を突き止めましょう。