私たちは普段生活している中で、健康であればあまり自分の身体のことを意識することがありませんね。
心臓の鼓動や呼吸などがそれにあたるのかと思いますが、その一つに血液の色というものがあります。
例えば切り傷を作ってしまった時、または健康診断などで血液検査をした時。
こういった時にあらためて自分の血の色を目の前で見ることになります。
さてこの血液、出血の仕方や場所によって色が異なる理由はなぜでしょうか。
血の色はどう変化するの?なぜ変化するの?
身体を駆け巡る血液は大きく分けて動脈と静脈とにわかれます。
心臓から運びだされた新しい血液、これが動脈ですね。
そしてこの動脈が身体中に血液を運び、お仕事を終えてまた帰ってくるものが静脈となります。
この働きの違いによって色が変化するのですが、その原因となるのが血液中に含まれる酸素の量なのです。
酸素の量が多ければ明るい赤色に、また少なければ暗い赤色になります。
血の色が黒いのははぜ?体に異常はないの?
少量の出血であればあまりはっきりと血液の色はわからないかもしれません。
身近で一番わかりやすいのはやはり血液検査の採血の時でしょう。
看護師さんに「怖かったら見なくていいですよ」と言われて少し恥ずかしいような気持ちになる方も多いのではないかと思いますが、この時の血液は少し黒い色の血液であまり気分のいいものではないからなのですね。
採血される血液はいわゆる静脈なので動脈に比べ酸素の量が少ないのです。
この少し黒い血液の色を「暗赤色」と呼びます。
血の色が薄いのははぜ?体に異常はないの?
先ほどの「暗赤色」の静脈の色に比べ、切り傷・擦り傷などで出血した時の血液は鮮やかな赤、また表現の仕方によっては薄い色となります。
これは動脈からの出血によるもので「鮮紅色」と表されます。
血の色の違いは酸素の量の違いによるもの、とお伝えしましたがこれを少し詳しく見てみましょう。
心臓から送り出される血液、いわゆる動脈血には酸素が多く含まれます。
これは血液中に存在する赤血球にヘモグロビンというタンパク質があり、ヘモグロビンは酸素と結び付く性質をもっているからなのです。
このタンパク質は肺から全身へと酸素を運ぶ役割を担っていて約10万キロともいわれる人体の血管に酸素を送り届けます。
身体の隅々まで行きわたって仕事を終えた血液は再びヘモグロビンを蓄えるために心臓へと帰っていくのですが、この状態の血液はすっかり酸欠になってしまい「暗赤色」と変色しているのです。
そしてまたヘモグロビンに多くの酸素を取り入れて「鮮紅色」となった血液が身体中に酸素を運んでくれるという絶え間ない作業を繰り返しているわけですね。
ということで血液の色に変化がみられる理由はこういった現象によるもので、体に異常があるというわけではありません。
なので、必要以上に心配する必要はないでしょう。