ある日、ふと触ってみると脇の下に何かある…。
これってもしかしてしこり?
そんな事があったら、とても不安になりますよね。
しこりと言えば、真っ先に思い浮かぶのは、癌ではありませんか?
医療番組の再現VTRや、ドラマなんかでも、ふと触ると固いしこりがあるのに気が付いて…実は癌だった、なんて展開も多いですよね。
でも、原因って本当にそれだけでしょうか?
実は、しこりは症状によって原因が異なるんです。
自分の症状と照らし合わせながら、チェックしてみましょう。
脇の下のしこり、原因は?
まずは痛みの有無、そして膿が出ているか、出ていないかなど調べてみましょう。
脇の下はリンパ腺の通る場所であり、リンパの腫れは様々な病気の可能性があります。
皮膚が腫れているのか、リンパが腫れているのか、医師は一目でわかるようなことであっても、自分で判断するのは非常に難しいと思われます。
リンパの腫れは、耳鼻科ですのでまずは耳鼻科に行く事をお勧めします。
脂肪腫
脂肪組織から出来る良性の腫瘍で比較的多く見られます。
他にもおしりあたりに出来ることもあります。
小さい場合は痛みも無いので、経過観察をします。
大きい場合は、脂肪腫と大変似ている脂肪肉腫と区別する為に細胞を採取して検査する場合があります。
どちらも皮膚科か整形外科で治療する場合が多いです。
脂肪肉腫
脂肪腫にとても良く似ています。
脂肪腫より大きいです。
肉腫と言うと、骨肉腫などとても怖い病気を思い出しますが、こちらは治る可能性が非常に高く予後も良好なので、完全に悪性と呼ばない見方もあります。
手術後、抗ガン剤を使うかどうかは症状によります。
粉瘤
表皮嚢種とも呼ばれています。
表皮の良性腫瘍の一つで、表皮が袋のようになってできます。
押すと、白い物が出てきたりします。
皮膚は、古くなると垢になりますが、その垢が袋の中に溜まってしまうのです。
体のどこにでもできる病気で、もちろん脇の下にもできます。
炎症を起こしていなければ痛みも痒みもありません。
が、炎症を起こすと腫れて、痛みも出てきます。
自然には治りませんので、皮膚科で切除します。
完全に切除しなければ、何回も再発を繰り返しますので、早めに治療しましょう。
悪性リンパ腫
上でも書いた通り、腋の下にはリンパ腺が通っています。
リンパ腫の場合、首、足の付け根、そして脇の下に腫れが現れる事が多く、その症状で他の症状が無いぶん、この腫れで発見される事が多いです。
リンパ腫の腫れの場合、基本的に痛みはありませんが、腫れによって周囲に炎症をおこしている場合、押すと痛みが生じる事があります。
癌による腫れか、リンパの腫れかは素人判断は禁物ですので、まずは耳鼻科の診断を受けましょう。
乳癌、その他の癌
腋の下というより、その付近にしこりが見られると、一番疑ってしまうのが乳癌でしょう。
ドラマやその他のフィクションの物語の中でも多く取り上げられていますね。
乳癌は乳房にしこりができますが、実は付近のリンパ腺にしこりができることもあります。
基本、癌のしこりは固く指で触ると少し表面がつるつると滑ります。
大きくなってしまっている場合は必ずしもそうとは言えませんが。
そして、その他の癌の場合でも、リンパで転移することはありますので、腋の下の含めリンパ腺が腫れる事はありえます。
ここまで行くと、自分で判断するのはほぼ不可能ですので、気になる事があったならば内科でも産婦人科でも相談してみましょう。
乳癌は女性の病気という印象が強いですが、実は、女性より確率は低いですが男性もかかります。
男性だからと安心せずに、心配なことがあれば医師に相談しましょう。
まずはリンパの腫れでは無い事の確認を!
インターネットで画像を見比べると、リンパの腫れと、脂肪腫などの表面の腫れは明らかに違うように見えます。
しかし、サンプル用の画像は特徴を捉えたわかりやすいものを使っているはずですし、症状は人それぞれで、医師では無いものが判断するにはあまりにも危険です。
気になるしこりを見つけたら、まずは耳鼻科でリンパの腫れでないことを確認し、その後、治療にうつりましょう。