しばらく前までは、ドラマでもよく出てきていたタバコを吸うシーン。
最近ではめっぽう減ってきました。
同時に、喫茶店などの店でも禁煙が進んでおり、日本では年々喫煙率が下がっています。
非喫煙者にとってはよい環境、喫煙者にとっては肩身の狭い世の中になってきましたね・・・。
しかし、副流煙を中心とするタバコの煙にはガンなどを誘発するほかに、タバコアレルギーのようなものを発症する人もいますので、少なくとも非喫煙者がタバコの煙に悩まされることのないようにしたいものです。
タバコアレルギー?
さて、ここで「タバコアレルギー」という言葉に引っかかった方もいらっしゃるかもしれません。
「え、タバコにアレルギーがあるの!?」「タバコにアレルギーがあったとして、それは吸ってる本人の問題じゃないの?周りの人にも関係あるの?」など、様々な疑問をもたれたでしょう。
正確に言うと、タバコアレルギー、と名のつくアレルギーはありません。
「化学物質過敏症」というのが、医学上の名前です。
或いは、花粉症やハウスダストアレルギーをお持ちの方はアレルギーの発症中、鼻粘膜が弱っていますので、タバコの煙による被害も考えられます。
また、日本禁煙学会などは、このような受動喫煙による体調不良を総称して、「受動喫煙症」と呼称しています。
受動喫煙症については、「世界的に認められた医学的な病名」とは言い難く、普通の病院では「受動喫煙症」と診断されることはほとんどないでしょう。
しかし、病名を提唱している日本禁煙学会の認定する医師であれば、診断し場合によっては診断書を出すことも可能なようです。
この認定医については、日本禁煙学会のホームページに一覧がありますので、ご参照下さい。
症状はどんなもの?
アレルギー、と俗称されるだけあって、症状はアレルギーに酷似しています。
最も多いのが呼吸器症状で、鼻水、くしゃみ、咳、ひどくなれば呼吸困難を起こします。
その他の症状としては、頭痛や吐き気、悪心、更に皮膚症状としては、蕁麻疹、かゆみ、発赤、目のかゆみや異物感、涙が出やすい、などがあります。
検査方法は?
検査方法としては、主に問診で、どのようなときにどのような症状が出るか、また症状がどのように消えるのか、などから総合的に判断しますが、前述の「受動喫煙症」の診断基準の中では、「コチニン測定」という検査についても触れています。
コチニン、というのは、タバコに含まれるニコチンという物質が代謝されたものです。
コチニン自体は有害ではない、とされていますが、通常は体内に存在しないものであるため、コチニンの濃度によって、受動喫煙(或いは能動喫煙)の危険レベルがだいたい分かる、というものです。
コチニン測定は、尿や血液などを用いて行うことが一般的です。
受診する際には、禁煙治療に健康保険が適用できる病院がよいでしょう。
検査の場合は保険適用がされず、数千円から1,2万することもある場合があります。
詳しくは、病院によって異なりますので、お近くの禁煙外来などを行っている病院におたずね下さい。
薬や治療法は?
アレルギー様症状の場合(花粉症や慢性鼻炎がタバコによって増悪している場合など)は、抗アレルギー薬を使うことができます。
或いは、ステロイドを使うこともあるでしょう。
根本的な対策としては、タバコの煙を避ける以外に方法はありません。
そういった意味で、非常につらい病気です(自分の努力でどうこうなるものではないため)。
少しでもマシにするために、マスクや花粉症用眼鏡を用いることも手でしょう。
職場環境が悪い場合は、上記で紹介した「受動喫煙症」を診断できる医師の元へ行き、診断書を貰って、事業所の管理者に職場環境改善を訴えるのもよいかもしれません。
最後に
自分の健康については、自分の身体ですから、当人の自由です。
しかし、上述したような病気で苦しんでいる方もいるため、公共の場での喫煙は喫煙スペースで行いましょう。