めんちょうという病気をご存じでしょうか。
言葉は知らない方でも、おそらく罹ったことはあると思います。
一言で言うなら、「顔に出来たオデキ」のことをめんちょう(面疔)といいます。
そんなめんちょうについて、みてみましょう。
めんちょうって、要はニキビでしょう?
めんちょうってニキビのことか、と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
が、残念ながら、ニキビとめんちょうは異なる病態です。
めんちょうは、癤(せつ、俗に言うオデキ)の一種です。
ニキビとは
まずはなじみ深いニキビ。
思春期に発症することが多いことは、周知のことと思います。
その原因は、
ホルモンのせいで毛嚢(毛穴)からの皮脂の分泌が多くなる
↓
しかし毛穴が塞がっていると、皮脂が排出されにくく、溜まる
↓
そこにアクネ桿菌が影響し、炎症がおこる
といったものです。
ホルモンの影響があるため、思春期に多く、また月経前にも悪化しやすくなります。
また、毛穴が塞がっていると皮脂が溜まりやすくなるため、化粧や顔の不潔(洗顔をしない)も悪因の一つとなります。
せつとは
一方、せつとは、傷などをきっかけに、毛嚢の中で黄色ブドウ球菌が繁殖するために起こる炎症です。
炎症が軽く毛穴が赤く炎症を起こしている程度なら、毛嚢炎(毛包炎)といい、炎症が少しひどくなって、毛穴の周囲まで巻き込んで赤く膨らんで炎症をおこしている場合に、せつといいます。
更に菌が侵入し、皮膚の比較的深い部分で複数の毛穴を巻き込んで炎症を起こす場合には、癰(よう)と言います。
この段階まで来ると発熱やだるさなどの全身所見が見られることもあります。
めんちょうは、このうち、「せつ」の段階で目、鼻、口の周囲にできたものを言います。
黄色ブドウ球菌は、そこら辺に存在する菌ですが、免疫力が充分にある健康な人であれば、体内への侵入を防げます。
問題は、睡眠不足やストレス、他の病気などにより免疫が落ちている場合、或いは顔剃りや怪我などにより皮膚が傷ついている場合です。
これらの場合、菌の侵入及び繁殖を許してしまい、めんちょうが出来てしまうのです。
怖いのは、平時は怖くない黄色ブドウ球菌も、弱っているときには人を殺す能力を持っている(肺炎や細菌性髄膜炎なども引き起こす)ことです。
そして、顔というのは、脳の近くであり、炎症が大きくなれば脳にまで菌の侵入を許してしまいかねない点です。
抗生物質のある現代では、ちゃんと治療さえすればこのような怖い事態は防げますが、油断して放置しておいていい病気ではありません。
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このように、めんちょうとニキビは異なる原因を持つ病気ですが、対策としては共通しているものもあります。
次に、その気になる対策をみてみましょう。
めんちょうになっちゃった!対策は?
しかし、できものを潰すのは厳禁です。
潰してしまうと、自然治癒する人でも、ひどくなったり、痕が残ったりする場合があります。
自然治癒しにくい人の場合、一番いいのは皮膚科を受診することです。
よくある治療方法は、抗生物質の内服、或いは外用(軟膏の塗布)です。
場合によっては、外科的に膿を排出する場合もあります。
まだ医者に行くほどではないな、と感じている方は、下記のようなポイントに留意して治療してみてください。
- 市販の抗生物質入りの軟膏(ドルマイシン軟膏など)を塗布
- 睡眠、栄養、ストレスなどに気をつけて免疫力を回復
- 洗顔(正しい洗顔方法については、下記リンク参照)