皮膚がなんだか青く変色している。
このような現象を「青あざができた」とよく言います。
しかし、実はこの「青あざ」にも色んな種類があるのです。
誰しもが経験のある青あざについて見ていきましょう。
そもそも痣(あざ)とは?
痣は、大きく分けて、打ち身など外傷によって生じる「出血斑」と、多くは生まれたときから存在する「母斑」に分類されます。
「出血斑」は、読んで字のごとく、皮膚の内部で出血(内出血)したことが原因でできる痣で、その特徴は治癒過程で色が変わっていき、最終的には痣が消えてしまうことです。
「母斑」の多くは、日焼けやシミの原因にもなる「メラニン色素」が原因となっています。
通常は皮膚の表面付近(表皮)に存在するメラニン色素が、皮膚の中程(真皮)に発現することによって、青く見えてしまうのです。
様々な青あざとその対策
では、具体的に様々な青あざの種類とその対策を見ていきましょう。
打ち身にともなう出血斑
打ち身や打撲の際に、皮下出血することにより生じます。
打った直後は赤く、翌日ぐらいから青くなり、数日で緑~黄色へと変化し、最終的には消失します。
通常は特に受診する必要はありませんが、痛みが続いたり、明らかな腫れが生じたりしている場合には、骨折等が疑われますので、整形外科を受診して下さい。
紫斑病
血管がもろくなっていたり、血が止まりにくくなっていたりすると、毛細血管がちょっとしたことで破れやすくなり、結果、重力のかかる下肢を中心に、痣ができやすくなってしまいます。
痣ができること自体はさして問題はありませんが、血管のもろさや出血傾向は危険な場合もあるので、内科などを受診しましょう。
貧血
鉄欠乏性貧血や再生不良貧血の場合、痣ができやすい、という症状が現れる場合があります。
これらは年に一度の健康診断で血液検査を受けていれば、発見しやすい病気です。
自営業や専業主婦などで健康診断を受ける習慣のない方は、まず健康診断を受けるようにしましょう。
持続性蒙古斑
「蒙古斑」は、モンゴロイド民族(モンゴル人系)の赤ちゃんのお尻から背中にかけて現れる青い痣です。
9割以上の子は、児童期に消失するが、稀に数cmほどの青あざが残る場合があります。
それが「持続性蒙古斑」です。
特に害のあるものではないので放っておけばいいのですが、外見上の理由から痣を消したい場合には、美容外科や形成外科、皮膚科などでレーザー治療を受けることで消すことができます。
同じように、蒙古斑が残るものとして、「異所性蒙古斑(お尻や背中以外にも出る)」「太田母斑(顔に茶あざの混じった青あざが出る)」「伊藤母斑(肩に茶あざの混じった青あざが出る」などがあります。
レーザー治療の流れ(一例)はこちら↓
青色母斑
蒙古斑系の青あざの場合、異常は色だけで、しこりなどはありません。
しかし、青色母斑の場合、しこりがあるのが特徴です。
通常は1cm以下の大きさですが、稀に大きいものがあります。
大きいものの場合、悪性化することもありますので、皮膚科などを受診して、念のため検査しておくと安心です。
お子様の場合
蒙古斑は児童期で消えるはずなのに、思春期を迎えようとする我が子にはまだ残っている・・・。
子どものことを思えばどうすればよいのか。
青あざで悩んでいる方の中には、そういったお悩みの方も多いかと存じます。
思春期は色々と悩む年頃でもあります。
顔や身体に目立った痣があると、本人も悩むだろうし、周囲からからかいの対象になってしまうかもしれません。
しかし、思春期のあたりで病変が変わる場合もあるため、せっかく治療してもまた治療しなおさなければならない場合もあります。
そこで、お子様と一緒に病院に行かれ、一緒によく説明を受け、お子様の意向をよく確認して治療のタイミングを相談するとよいでしょう。
別に病気ではありませんので、治療したくなったときに治療すればよいのです。
ただ、レーザー治療を数ヶ月おきに何回か受けなければならない場合も多々あるため、受診して話し合いだけは先にしておくとよいかもしれませんね。
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