ヒールのある靴なんかを履いていると、ちょっとした地面の凹凸で足がグキッとなってしまいます。
或いは疲れているときや、靴底が変に削れてしまっている場合なども、足をくじいてしまうことはあります。
誰しも一度は足をくじいたことがあると思いますが、では、足をくじいたときにはどうすればいいのでしょうか?
そんな素朴な疑問に答えていきます。
足をくじいたときにはどういう応急処置をすればいい?
足をくじくというのは、言い換えると、捻挫した、ということです。
軽度なら問題はありませんが、重度の場合、靱帯に重大な傷害を負うことになります。
しかし、軽度であれ、重度であれ、足をくじいて捻挫したときに行う応急処置は一緒です。
それは、RICE処置と呼ばれています。
RICE処置
RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の略です。
つまり、痛い足を無理に使わない(安静)、すぐに冷やす(冷却)、テーピングなどを行う(圧迫)、痛い足を心臓より高いところに吊り上げる(挙上)、ということです。
中でも冷却はなるべく早めに行うことが望まれます。
ベストなのは、氷水で作った氷嚢を布ごしに患部に当てる方法ですが、外出時には用意しにくいと思います。
近くの水道水(流水)で冷やすのも手ですし、学校や保育園では保冷剤を使うのも手です。
冷却効果はそこまで高くありませんが、冷えピタなども、やらないよりはやったほうがいいです。
※ 氷水など0度に近いもので冷やす場合は、凍傷を防ぐためにも、数分に一度は患部から氷などを離してください。
この方法は、捻挫に限らず、打撲や骨折の時にも使える基本的な応急処置ですので、覚えておくといいでしょう。
なお、足をくじいた後、急速に腫れが大きくなっていく場合、重度の捻挫、或いは骨折などが疑われますので、早急に受診しましょう。
テーピング
応急処置として行うCompression(圧迫)については、簡易でよいため、適当に手近にある布を、軽く圧迫する程度で巻き付ければよいでしょう。
あまりきつすぎると血行が止まるなどの悪影響も出てきます。
とりあえずの応急処置の後、いつまでも動かないわけにはいきませんので、また歩くことがあると思います。
或いは、捻挫した翌朝、家を出る前にテーピングすることもあるでしょう。
そういったときには、しっかりとしたテーピングを行い、患部への負担を軽減することが重要になってきます。
テーピングにも色々やり方がありますが、今回は、比較的簡易な方法と、ガチガチに固める方法の2種類を紹介したいと思います。
ガチガチ版
ガチガチに固める方法は、文章にするととても分かりづらく長くなるため、以下の動画をご参照下さい。
簡易版
簡易版は、文章にて紹介致しますが、上記動画をご覧になってからの方がスムーズに理解頂けると思います。
なお、下記の説明で、「くるぶしの上」「上側に引っ張りながら」などの表記が出てきますが、これは直立姿勢時の「上」、つまり「膝の方向」を指します。
テーピング用の粘着スプレーを患部周辺に塗布し、足首を90度に保ちます。
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アンダーラップ:足の甲の真ん中(土踏まずのあたり)くらいのところからシワが出来ないよう、ぐるぐる巻いていき、くるぶしの上数cmのところまで巻き付けます。
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アンカー:くるぶしの上、アンダーラップと皮膚の両方にくっつくよう、一回巻き付け、更に今巻いたアンカーにかぶせるようにして、その下にもう一回巻きます。
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スターアップ:内くるぶしの上のアンカーのところを始点とし、内くるぶし→かかと→外くるぶしを経由し、外くるぶしの上のアンカーを終点とするように貼ります。
足をくじくときには通常、足を内側にひねりますが、「足を内側にひねれないようにする」ことを目的としたテーピングです。
この点を意識しながら、特に外くるぶしのあたりをテーピングするときには、上側に引っ張りながら貼りましょう。
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アンカー:スターアップがズレないように、スターアップの始点と終点の部分にアンカーをもう一度巻いておきます。
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フィギュアエイト:外くるぶしの上側を始点とし、足の甲と足首の間→土踏まず→足の裏→足の甲と足首の間→内くるぶし→アキレス腱を経由し、最初の始点の部分を終点とするように巻きます。
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サーキュラー:内くるぶしのやや上を始点とし、アキレス腱を経由し、フィギュアエイトの始点・終点の部分がズレないように、そこにかぶせながら、上方にずらしながら、2,3回ぐるぐる巻きます。
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完成!
湿布の使い方は?病院は?
湿布については、「筋肉痛は冷やすor温める、効果的なのはどっち?湿布は温感、冷感どっち?」でも解説していますが、最初は冷湿布を用いましょう。
数日経って痛みが落ち着いてきたら、温湿布に替えるか、湿布を止めましょう。
湿布というと、飲み薬に比べ軽視されがちですが、立派な薬です。
用法用量はしっかり守りましょう。
また、呼吸器疾患や妊婦の方は特に湿布の注意書きを読んで、ご自身に使えるかどうか確認して下さい(例えば、インドメタシンは胎児に奇形を及ぼす可能性もあるため、妊婦には厳禁です)。
患部の腫れが大きい場合や、1~2週間経っても全然治る見込みが感じられない場合は、整形外科を受診しましょう。