出物腫れ物ところ嫌わず、と言いますが、「腫れ物が鼻の中にできた!」なんていうときには、「少しは出る場所をわきまえてくれ」と思ってしまいますよね。
鼻の上(鼻の頭)とかなら、分かりますが、なんでよりによって鼻の中なんだ、と。
今回はそんな、腫れ物が鼻の中にできてしまった場合の対策です。
鼻の中のできもの!正体は一体!?
鼻の中にできものができたといっても、その正体や考えられる原因はたくさんあります。
その中でも比較的症例が多いと思われるものについて、それぞれの原因と対策を、以下にご紹介します。
なお、鼻は、脳に近く、鼻付近の血管や神経は脳と比較的短距離で繋がっています。
そのため、以下の病気のいずれの場合でも、重症化が懸念される場合には受診しましょう。
診療科は、耳鼻科、耳鼻咽喉科、それらがない場合には皮膚科です。
鼻癤(びせつ)
癤(せつ、以下カタカナでセツと表記します)、とは難しい漢字ですね。
これ、簡単に言うと、オデキのことなんです。
オデキは、大きさによってセツやヨウなどの言い方がありますが、毛穴の中に細菌が入って繁殖し、炎症が起きたものです。
毛包炎(毛嚢炎)の一種、と言うことも出来ます。
鼻には、鼻毛があります。
毛があれば当然、毛包(毛嚢)もあります。
また、鼻の中は常にしめっており、ブドウ球菌を始めとした様々な細菌が生息しています。
とはいえ、身体が健康なときであれば、粘膜免疫によって、いわば感染防御バリアのようなものが張られているため、細菌たちは悪さできない状態にあります。
しかし、例えば無理矢理鼻毛を抜いたり、鼻くそをほじって爪で鼻粘膜が傷ついたりすると、その崩れたバリアの一角から細菌が入り込み、悪さをしてしまいます。
その結果、鼻内にできものができてしまう・・・これが鼻セツです。
鼻セツについては動画もありますので、ご参照下さい。
主な症状は、腫れと数日間続く痛みです。
場合によっては膿が出ることもあり、重症化すれば、腫れが鼻の外にまで広がります。
腫れが小さいものであれば自然治癒でもいいですが、膿が出てきたり腫れが大きかったりする場合には、受診した方がいいでしょう。
治療は主に抗生物質・鎮痛消炎薬の内服や外用となります。
⇒抗生物質はアルコール・酒や牛乳と飲み合わせはNG?理由は?
鼻茸(はなたけ)
鼻茸は、茸(きのこ)のようなできものが鼻の中にできる病気です。
決して茸が生えるわけではありませんので、そこはご安心下さい。
できものの形が茸のように、茎があってその先が丸くなっているような形なのです。
その正体は、簡単に言えばポリープです。
鼻茸の原因は、未だはっきりとは示されていませんが、臨床的には、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎との関連性が強いようです。
これら基礎疾患のせいで粘膜が弱っているところに何らかのきっかけがあり、ポリープができる、と考えられています。
主な症状は、ポリープによって気道が塞がれる息苦しさ(鼻づまり)、更にポリープが大きくなってくると片鼻塞がれたり神経を圧迫したりするため、嗅覚の低下・顔面痛・頭痛なども生じます。
また、ポリープを傷つけてしまった場合には激しい痛みが伴います。
逆に言えば、ポリープが傷つかなければ、痛みがないこともあります。
治療は、軽症であれば薬剤の吸入により、ポリープの矮小化を図ります。
ポリープが大きくなってしまっている場合には、外科的にポリープ切除などを行います。
鼻という場所柄(重要な神経がすぐそばを通っている)、全身麻酔を行う場合もありますので、鼻茸になったときはなるべく軽症のうちに受診して治療することをオススメします。
その他
その他、ヘルペスやニキビが鼻の中に出来ることもあるようです。
この場合も、通常なら自然治癒でも良いでしょう。
あまりに痛みや腫れがひどいようなら、受診するのが望ましいでしょう。
白い膿が出るのは!?
白い膿が出るのは、細菌による炎症が起きているためと考えられます。
膿は、細菌および、細菌と戦った白血球などの死骸などが含まれています。
この段階になると、膿が出るほど、細菌との戦いが激しくなっている(=炎症がひどくなってきている)状態と言えます。
そのため、痛みも増していることでしょう。
また、膿が鼻の奥から喉へ流れてきたり、鼻から垂れてきて口に入ったり、ひどければ喉を経由して耳に菌が回ることも考えられます。
そのため、膿が出るようなら、病院へ行って抗生剤を貰って早めに治す方がよいと言えます。
膿がひどい場合はこちらの記事も併せてご覧ください。