目が回る~、クラクラクラ~・・・
今回はそんなめまいの話です。
めまいの種類
めまいといえば、クラクラ、目が回る、といった表現がされますが、実はいくつかタイプがあります。
回転性めまい
ぐるぐる目が回る感じがするめまいです。
アニメなどで、目玉がぐるぐるになって、周りの景色がぐるぐる回る、という演出がなされますが、イメージとしてはそれに近いといえるでしょう。
実際に、回転性めまいを起こしている人の眼を観察すると、目玉が動いています。
これは「眼振」と呼ばれる症状です。
眼振については、下記リンクもご覧下さい。
【リンク】(26.眼が痙攣する記事)
回転性めまいの多くは、耳に原因があり、病名としては、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎、中耳炎などがあります。
それぞれの病気に応じて、めまい以外の症状が見られることがありますが、こういった付随症状も、難聴、耳が詰まる、耳鳴りがするなど、耳の症状が多いです。
浮動性めまい
ふわふわ浮いた感じがするめまいです。
浮動性めまいの多くは脳に原因があり、病名としては、脳貧血、脳出血、脳梗塞、椎骨脳底動脈循環不全、聴神経腫瘍などがあります。
病気に付随して現れる症状としては、頭痛や、歩行・姿勢維持の困難などがあります。
めまいを主訴とする病気
上記で例に挙げた病名から、メジャーなものをいくつかピックアップして詳述します。
良性発作性頭位めまい症
特徴的なのは、頭を動かしたときに回転性のめまいが起こることです。
吐き気などが見られることもあります。
持続時間は短く、数秒程度で治まります。
原因は、三半規管内に耳石という小さな石のようなものが入り込んでしまい、頭を動かしたときにその石が三半規管を刺激してしまうためです。
診断は、頭を動かしたときに出る眼振を観察すれば比較的容易につきます。
治療は、頭を決まった順番で動かすことによって三半規管内で耳石を転がし元の位置に戻す、という方法が安全で簡単に素早くできるので、よく行われています。
稀にこの方法では治らない方がおられますが、そういった方には薬を用いることもあります。
メニエール病
主訴は、繰り返し起こる回転性めまいと、それに伴う耳鳴り・難聴です。
この症状はある程度の時間続き、吐き気や嘔吐なども好発します。
原因は、内耳にリンパ液が溜まってしまい、周囲の組織を圧迫するためです。
内耳には、蝸牛や三半規管などがありますが、蝸牛が主に障害された場合には難聴の症状が強く、三半規管が障害された場合にはめまいの症状が強く出ます。
根本的な原因としては、睡眠不足、ストレスなどが大きいでしょう。
根治は難しく、治療は薬で対処療法を行います。
場合によっては手術を行うこともあります。
脳貧血
脳貧血の主訴は、浮動性めまいや、目の前が真っ暗になる、といったものです。
脳貧血とは、分かりやすいところでいえば、「立ちくらみ」が該当します。
他にも、動脈硬化や長時間の立位などによっても、脳への血流が少なくなり、脳貧血が起こることがあります。
重大な病気ではなく、めまいなどが起きても、血流が回復すればすぐに症状が治まるため、わざわざ病院を受診するほどではありません。
但し、ただの脳貧血ではなく、動脈硬化や脳梗塞などが隠れている場合もありますので、健康診断で血液検査の値が悪かった方は、念のため受診することをオススメします。
聴神経腫瘍
耳から脳にいたる神経を聴神経といいますが、ここに腫瘍ができると周囲の組織を圧迫し、難聴や耳鳴りに始まり、めまいなども現れてくるようになります。
腫瘍は良性なことが多いので、その点は安心です。
他の症状としては、吐き気や顔面神経麻痺なども現れることがあります。
病気によって、耳鼻科が適しているものもあれば、神経内科が適している場合もあります。
しかし、素人にその点の判断はつきにくいため、身近な耳鼻科を受診するのがよいでしょう。
脳に異常がある場合には、その医師が教えてくれると思いますので、その医師に適切な診療科をきくのがよいでしょう。