「漢方は飲み始めて3ヵ月くらいから効果が出始める」根拠はありませんが、こういった言葉を耳にしたことはありませんか?
また漢方は生薬だから身体に優しく効果もゆるやかに出始める、といったような考えが常識のように広まっていることも事実です。
で本当に漢方薬は効きはじめるまで数カ月もかかるのでしょうか。
また副作用もほとんど心配ないような優しいお薬なのでしょうか。
漢方の種類によって効果が出るまでの期間が違うの?
漢方薬をひとくくりにして考えてしまう風潮がありますが、他のお薬や食品などと比べてみればもう少し客観的に判断できるかと思います。
例えば解熱剤であれば今現在上昇している体温を速やかに下げる(平熱に近づける)必要がありますから、効果は即効性です。
それとは違い生活習慣病などの予防として用いられるお薬、血圧や中性脂肪の予防薬がこれにあたります。
このような性質のお薬は今現在というより、将来予想される重篤な病気を予防するために長期間にわたって処方されることが一般的です。
血圧を下げるお薬が急激に効いてしまうと低血圧症を引き起こし、お薬どころか身体にとっては毒となってしまいますね。
この理屈は漢方薬でも同じことで、期待される効果によって即効性のものもあれば長期間にわたって服用することで効果を発揮するものもあり、その期間は様々なのです。
もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
効果が出やすい飲みかたが知りたい
薬によって効果が表れ始める期間は違いますが、より効果が早くかつ強く出てほしいですよね。
それはどうやら飲み方を改善することである程度は変えられるみたいです。
専門家が紹介している効果的な飲み方としては
- 白湯(さゆ)で飲む
- 食間に飲む
といったことが紹介されていますね。
しかしこれもお薬の種類によって当然変わります。
必要なのは処方されたお薬の効果をよく理解し、どういった飲み方でどれくらいの期間経過すると効果が出始めるのかを薬剤師または医師に詳しく確認することでしょう。
それでもなかなか効果が出ない場合は?
漢方薬は処方、もしくは調合する医師によって考え方が大きく変わるといいます。
例えばシェフがレストランに訪れたお客の年齢や性別によって微妙にレシピを調整して、より好みに合ったメニューを提供するようなイメージでしょうか。
漢方薬とは患者さんそれぞれの体調や生活習慣に合わせてベストと考えられる組み合わせで調合されるお薬で、Aの症状にはBのお薬、といった単純な処方ではありません。
したがって処方・調合する専門家のみたてが少し間違っているとどれだけ飲み続けても効果が出ない、といったことも起こりうるのですね。
漢方薬は決して安くはないお薬です。
あまり効果がみられない場合は処方された医師や薬局に申し出て処方を見直してみます。
もしくは違う専門機関の処方箋で服用して効果を確認してみる、こういった柔軟な対処が必要でしょう。