トイレに行って用を足して、ふと便器を見ると真っ赤!
こんなことがあったら、驚くなと言う方が無理な話。
排便する時に痛みも無かったし、腹痛も無かった、身体が不調だったかと元気だったような気がするのに…。
そして頭を過るのが、もしかしてこれって癌?という不安。
しかし、大腸がんの血便の場合とその他の場合では違いがあります。
自分の症状と照らし合わせてみて、原因を探ってみましょう。
突然の鮮血の血便!原因は?対処法は?
まず、血便というのはいくつか種類があります。
先ほどの話のように、真っ赤な鮮血の場合。
赤黒いタールのような血が便に混ざっている黒いタール便、またはねっとりとした赤黒い血液が表面についている場合。
苺ジャムのようなねばねばとした血便、などです。
そして、大腸がんの場合は、この中でもタール便と呼ばれる赤黒い血液が便に混じる場合が多いです。
肛門に出血が近ければ近いほど血は鮮血になり、遠ければ遠いほど黒くなります。
胃潰瘍などで出血している場合でも、一見わかりませんが、検査で潜血が確認されることがあります。
では、これをふまえて、痛みの無い鮮血とは、一体、どのような病気があるのでしょうか。
痔、内痔核
一番、可能性が高いのが痔です。
痔と言えば、中年の男性が患っている印象が強いですがそんなことはありません。
若い女性の痔の割合はとても高く、肛門科へ行っても若い女性がそこそこいます。
恥ずかしがって病院に罹らない人もいますが、そもそも女性のほうが、痔の原因となる便秘になりやすいので、何も珍しくは無いのです。
痔で、そんなに血が出るものなの?と思うでしょうが、でます。
便器が真っ赤になる勢いで出ます。
鼻血を出してしまった時を想像してください、すぐに止まりますが、下着を汚してしまうこともあるくらいには酷い出血をする人もいます。
中には痔だと気付きながらも、たかが痔と放っておいたら仕事中に衣服を汚すほど出血して大騒ぎになり、救急車で病院へ行ったなんて人もいるようです。
そもそも、肛門が裂けたような痛みも無いけれど?
そんな人もいるでしょう。
肛門より少し奥にできるいぼ痔で、内痔核というものがあり、これは痛みを感じません。
肛門の表面にできた場合は、なかなかの痛みなので、排便の度にとても辛い思いをするのですぐに気付きますが、内痔核の場合は、痛みのないまま出血するのでびっくりすることが多いと思います。
消化器科も診てくれる肛門科も多く、もし痔ならば痔の治療もしてもらえるし、他に病気は無いかも診てもらえるので、なるべく早めに受診しましょう。
直腸癌
先ほど書いた通り、肛門に近いほど鮮血に近い血便が出ます。
そのため、肛門そのものに炎症ができる痔が最も可能性が高く、大腸がんは赤黒くなる場合が多いのですが、直腸癌ですと、肛門にも近いので、鮮血に近い血便が出る場合があります。
先でも書きましたが、鮮血はそのほとんどが痔の可能性が高いですが、必ずしも痔だとは限りません。
ので、自己判断せずにかならず病院へ行って検査をしましょう。
ストレス
便器を染めるほどの真っ赤な鮮血に慌てて病院へ。
痔のような炎症もない。
胃カメラも飲んだ、大腸カメラも行った、しかし異常なし。
こんな時もあります。
この場合は、ストレスが原因であることがあります。
ストレスは、消化器へのダメージが大きく、胃に穴が開くとは良く言ったもので、ストレスで胃潰瘍になってしまう人がいます。
それと同じように、強いストレスに晒され続けることにより、胃腸が弱り続け、出血してしまうことがあります。
一次的なもので、時間が経てば何事も無かったかのように治るので、検査してもよくわからない場合も多いです。
まずは、カウンセリングなどでストレスを少しでも和らげる事が大切です。
下血するほどのストレスは、相当のものと考えて良いです。
その他の病気
血便が痔では無かった時=癌、という考えがありますが、実はそうでも無いです。
大腸ポリープや、その他にも血便の出る病気はたくさんあります。
すべての可能性を捨てずに、病院を受診しましょう。
素人判断は禁物、必ず病院へ
いかがでしたか?
血便にも様々な原因があります。
即、癌だ。ということでもありませんが、この程度、多分痔だろうと判断してはいけないと言う事です。
こういう傾向が多い、という目安はありますが、基本的には目安でしかないのです。
本来、血が出る部分では無い個所から血が出ることは明らかに異常ですので、原因に心当たりがあってもとにかく病院へ行くのが良いでしょう。