健康診断や精密検査において必要と判断された場合、受けることのあるMRI検査。
事前にMRIはX線撮影と異なり被爆の危険性はなく安全な医療器具ですと説明を受け、同意書にサインを求められたことはありませんか?
安全であるなら同意書や過剰な説明は必要あるのか、と少し不安になってしまうのは普段MRIに馴染みなく生活しているからかもしれません。
医療は常に密接にかかわるライフラインでありながら、専門的でわからないことが多く不安に感じるのは仕方がありません。
MRIに対する理解を深めて、その危険性がないことを確認してまいりましょう。
強磁場が与える人体への影響
基本的に有害な事例はなく、X線撮影のように少量の被爆もないので安全であると言われています。
X線撮影であれば外部への遮断を考慮した環境を用意しますが、MRIの強磁場に関してはそれらへの対応はありません。
安全だから特別な対処が必要ない、といえばそうですが、正確には強磁場が人体に与える影響に関して未知の部分があり解明されていない現状が存在します。
したがって本当に安全だとは結論が出ていない、という論もあります。
MRIは磁気の力で体内の水素イオンなどを一定の方向に向け、コンピューター解析し画像化、撮影する機械です。
撮影を受けたあと、個人の体質によってまれに酔ったような症状が出る人はいらっしゃるようですが、原則安全であることに変わりはありません。
電磁波過敏症と言われるような方に散見されるのかもしれませんが明確な症例としてはあげられていないのです。
総じて現段階でのMRIは安全において問題がない医療器具と判断されます。
造影剤注入の副作用
MRIの検査において病気の検出をしたり、性質をより詳しく診断するために「造影剤」が使用されることがあります。
静脈注射で注入されるカドリニウム製剤です。
多くは造影剤を使わなくても検査が可能なのですが、病気や検査部位によっては明確な診断を行うため必要と判断されれば使用することになります。
使用前には医師から事前の確認があります。
これまでに造影剤を使用して気分が悪くなったことがあったり、喘息持ち、アレルギー体質、肝臓腎臓に重疾患がある、授乳中の方などは造影剤を使用できない可能性がありますのできちんと医師の問診には答えましょう。
なお、それ以外でも使用に不安がある場合は拒否することが可能なのでご自分の当日の体調次第ではMRI検査室の担当者に申告してくださいね。
副作用は軽微なものを含めて1~2%の割合で報告が存在します。
めまい吐き気、赤みや痒みむくみなどの皮膚の異常、くしゃみ・咳、倦怠感など一過性のものとして発症します。
極めてまれに冷や汗から血圧低下、胸部の締め付け、呼吸困難などの重度副作用を発症することがあります。
そのため、少しでも身体に異常を感じる場合はすぐに申告し、事前に体調がすぐれないなど通常のコンディションでない場合は使用を拒否することも考えましょう。