手足口病という病名は広く知られているのですが、はっきりとした対処法がわかりづらい病気でもありますね。
例えばお風呂はいつから入っていいの?いつごろから外出していいの?といったことを、明確に答えられるかたは少ないのではないでしょうか。
以前はこの病気、赤ちゃんから幼児までの小さいお子さん特有のものとされていました。
しかし近年海外で大人の感染例が多く報告され、中には死亡するというケースにまで重篤化した例があります。
それでは手足口病に感染した場合の対処法は、幼児などのお子さんの場合と大人の場合とでそれぞれ異なるのでしょうか。
外出してもいい目安は?症状が軽ければ外出しても大丈夫?
ここではまずお子さんが手足口病に感染した場合について考えます。
手足口病は感染するウイルスや感染者の体調などによって症状が変わります。
発熱を伴う場合とそうではない場合、また発疹が全身に及ぶこともあれば部分的なもので治まるものもあります。
>>手足口病で熱なしの場合も?病院は?保育園の登園はいいの?
しかし症状に差があったとしても感染症であることには変わりないので、発熱・発疹などが見られる場合は外出を控えるというのが一般的なエチケットです。
手足口病のウイルスは症状が安定しても腸内に長く滞在することから、完全に感染を予防しようとすると1か月以上は外出ができないこととなります。
しかしこのウイルスは自然界に多く存在するものでもあり、本来完全に予防することが不可能です。
そういったことから感染力の強い発症初期、特に発疹が水泡状で乾燥していない間に関しては最低限外出を控えましょう。
このような考え方がマナーとして、また集団感染を予防する目安としてお子さんが通う施設では浸透しているようですね。
年齢ごとに外出を始められる明確な基準はある?
手足口病についてはこの質問や疑問が一番多いのではないでしょうか。
登園・プールまた大人であれば学校や出社など、何を基準にして始めていいのか困りますね。
>>手足口病、保育園の登園はいつから?プールの休みはいつまで?
しかし残念ながらインフルエンザのようにこれについての明確な基準は存在しません。
赤ちゃん・幼児・子供・大人の区別なく「症状が落ち着いたら」が一般的な見解となっています。
判断に困る場合は所属する団体や地域の考え方、お医者さんの意見を参考にしましょう。
>>大人で手足口病、仕事・会社は休む?いつから出勤してもいいの?
年齢ごとに病みあがりの対応はかわってくる?
冒頭でお伝えしましたように、手足口病は決して小さなお子さんだけが感染する病気ではありません。
では感染した年齢ごとにそれぞれ対応は変わってくるのでしょうか。
あまり知られていないようですが、手足口病は夏かぜの一種とされています。
基本的な考え方はかぜをひいた時と同じで、特効薬などはありませんからとにかく安静にして体力の回復をまつことで症状が落ち着いてきます。
お子さんの場合はおおよそこの考え方に当てはまり、赤ちゃん・幼児・子供という分類で特に対応や対処法が変わるわけではありません。
しかし近年、お隣の中国において大人の手足口病の感染例が多く報告され、また重症化するケースが多く確認されています。
現在では大人が手足口病に感染した場合はあまり軽く考えない方がいい、という流れになってきています。
大人の場合はいったん症状が落ち着いてもまた高熱をぶり返すことがあり、病みあがりの状態でも子供より注意深く様子を観察する必要があるとされています。
場合によっては髄膜炎という危険な病気になりかねないので十分に注意しましょう。
外出できるタイミングについてもお子さんとは少し事情が変わってきていますので、心配な場合は専門機関を受診して医師の指示をあおぎましょう。