突然、その日の予定を忘れてしまったという経験をお持ちの方はいらっしゃいますか?
あるいは、なにか作業を行っている最中に数秒別のことをしたらもうそれまで何をやっていたのか思い出せなくなってしまったということがある方。
もしかしたらその症状は、短期記憶障害かもしれません。
この記事では、短期記憶障害について解説しています。気になる方は要チェックです。
短期記憶障害と長期記憶障害には違いがある
短期記憶障害について解説するにあたって、簡単に長期記憶障害との違いを説明しておきたいと思います。
短期記憶障害は、現在の日付やさっき起こったことなどの近況の記憶が飛んでしまうことです。
長期記憶障害の場合は、自分にとって重要であるはずのことを忘れてしまうことを言います。
例えば自分の名前や家族の名前、さらにはその存在さえも忘れてしまうような重い記憶障害が長期記憶障害です。
短期記憶障害が伴う病気・認知症
認知症にかかってしまうと、短期記憶障害を起こしてしまうことがあります。
認知症という病名をご存じの方は多いでしょう。記憶を失ってしまうタイプの病気です。
認知症には過程があります。前認知症、軽度認知症、重度認知症といった流れです、短期記憶障害は、前認知症の段階に該当します。
もしも最近妙に直前のことが思い出せないということを感じる場合は、念の為に検査を受けてみてもいいかもしれません。
記憶障害のような症状は老化でも起こる
お年寄り=物忘れというイメージをお持ちの方は多いでしょう。実際のところ、それは間違いではありません。
もちろん、程度には個人差が大きく存在しています。しかし、老化や疲れによって物忘れ、つまり記憶障害のようなことが起こることはあります。
知り合いの名前が思い出せなくなってしまったり、さっき食べたものが思い出せなくなってしまったりというような物忘れは正常の範囲内での加齢による物忘れです。
日常生活が普通に行えなくなっている場合は問題ですが、とくに不自由してはいないという場合は心配する必要はありません。
怪我が原因で短期記憶障害が起こることがある
気になる短期記憶障害の原因ですが、様々です。認知症以外にも、短期・長期を問わず記憶障害を引き起こす原因がたくさん挙げられます。
怪我などが原因で起こってしまうこともあります。例えば事故によって頭を打ってしまい、それが原因で記憶を失ってしまうことがあります。漫画などで見られる記憶喪失に近い状況ですね。
それ以前の記憶があっても、事故が起こった時のことを憶えていないというものは短期記憶障害に当てはまります。
脳梗塞が短期記憶障害を引き起こす
脳梗塞のような脳の病気で短期記憶障害が起こってしまうこともあります。
脳梗塞を起こしてしまうと、新しいことを覚えられなくなります。そしてさらに記憶障害も起こってしまうのです。
短期記憶障害だけでなく、長期記憶障害などの他の記憶障害も起こってしまう場合があるため注意が必要です。
日本において脳梗塞は非常に死亡率が高い病気です。しかし、治すことは可能です。ただし、治すには発症から早いうちに治療を受けなければいけません。
なんと72時間以内に脳に血が行き届くようにしなければ、脳の機能が元に戻らなくなってしまうのです。
かかったかな?と思うときは、すぐに病院で診察することをおすすめします。
心の病気によって記憶が失われることも
鬱病や統合失調症のような、心の病気と関連して起こってしまうこともあります。
まずは鬱病についてです。鬱病にかかってしまったことがある方は、もしかしたら直前までの細かい記憶が無くなったり、物忘れをしてしまったりした経験があるのではないでしょうか。
なぜこのようなことになるのかというと、脳にある神経伝達物質が減っていってしまうことにより鬱病が起こってしまうので、その結果として記憶についても影響が出てしまうのです。
しかし、鬱病は適切な処置を受けることで直すことができますので、もしもかかってしまい記憶障害が起こってしまったとしてもしっかりと治療を行えば大丈夫です。
統合失調症は10代や20代の若者もかかりやすい病気で、さらには100人に1人程度という非常にかかりやすいタイプの病気です。
幻聴や妄想、感情が乏しくなるなどの症状が有名ですが、この他にも記憶障害を伴います。
しかしこちらも治療のための薬などがあるので、直すことは可能です。
ストレスによる記憶障害もある
強いストレスを人や環境などから受けると、記憶障害が起こってしまうことがあります。
これは「解離性障害」と呼ばれるもので、その日に起こったことやしばらく前のことのような短期記憶障害、さらには自分の名前などの長期記憶障害にかかわる記憶までも失われてしまうことがあります。
この解離性障害による記憶障害も、完治することが可能です。病院で診察を受けましょう。