青あざ、赤あざ、たんこぶ、血豆・・・
これらに共通する症状は何でしょうか?
正解は、「内出血」です。
そんな内出血が起こりやすい場合に考えられる病気は何かあるのでしょうか。
内出血とは
通常、怪我(切り傷や擦り傷)などでは、皮膚が傷つき、そのまま皮膚の下の血管まで傷ついてしまい、血管内部の血液が出てきます。
これが「怪我をして血が出た」と俗に言われる状態です。
ところが、打ち身などにより、皮膚は傷つかなかったが、内部の血管が衝撃によって破れてしまうことがあります。
この場合、血液が血管から漏れ出るものの、出口(皮膚の傷)がないため、そのまま血が流れることなく体内にとどまります。
これが「内出血」と呼ばれる症状です。
打ち身などにより、皮膚のすぐ下にある毛細血管がプツプツっと損傷を受けた程度なら、「青あざ」や「赤あざ」になります。
一方、トンカチで釘を打つときに間違えて指の端を打ってしまった場合など、局所的に強い衝撃を受け血管が破れた場合になるのが「血豆」です。
また、頭部は髪の毛によって守られているものの、頭皮の下には、血管があってすぐに頭蓋骨になっています。
そのため、頭部を打ってしまうと、頭蓋骨の上にある血管が破れやすく、その場合によくなるのが「たんこぶ」です。
以上挙げたものがよくある内出血で、「内出血しやすい人」というのは上記のような症状に悩まされている方々のことになるでしょう。
但し、今回のテーマからは少し外れますが、交通事故や動脈瘤などにより、体表からは観察できない体内の奥の方で内出血が起こる場合があります。
この場合は非常に危険なため、すぐに病院で処置を受ける必要があります。
内出血が頻繁に起こる病気
次に、このような内出血の起きやすくなる病気についてそれぞれ見てみましょう。
紫斑病
紫斑病とは、内出血によるあざのようなもの(紫斑)が現れる病気の総称のようなものです。実際にはその病態・病理によって、アレルギー性紫斑病(血管性紫斑病)・特発性血小板減少性紫斑病・紫斑病性腎炎・血栓性血小板減少性紫斑病などがあります。
ここではそれぞれについて詳しく述べることはしませんが、あまりに頻繁にあざが出る(特に足)場合で、あざが数日経っても消えないときは、一度受診されるとよいでしょう。
代表的な血管性紫斑病について簡単に紹介された動画のリンクを貼っておきますので、ご参照ください。
静脈瘤(じょうみゃくりゅう)
静脈瘤とは、静脈血管の一部が、加齢や動脈硬化、奇形などにより、コブ(瘤)状になってそこに血液が溜まってしまう病気のことです。
重力の関係で足に起こる事が多く、「下肢静脈瘤」という病気もあります。
これらの病気の場合、実際には内出血をしていなくても、多くの静脈が皮膚に近い位置にあるため、静脈瘤がアザのように見えてしまうことがあります。
もちろん、実際に内出血が起きる場合もあります。
いずれにせよ、軽症であれば、見た目が悪いだけなので放っておいてもかまいません。
治療する場合は、静脈瘤のタイプによって、レーザー治療、薬剤治療、外科的手術などの方法がとられます。
特に、重要な静脈(体内深部にある静脈)に瘤ができた場合には、手術を要するため、足のむくみやこむら返りがひどい場合など、不安な場合は受診しましょう。
内出血を起こしやすくなる体質
病気ではないものの、ちょっとしたことで内出血になりやすい体質の方もいらっしゃいます。
- 遺伝的に血管が細かったり脆かったりする方
- 手術や病気などにより、ヘパリンなどの血液抗凝固薬(血液が固まりにくくなる)の投与を受けている方
- 血行が悪い方(冷えや、立ち仕事、タイトな衣服により常に締め付けられている場合、などを含む)
内出血後の適切な処置
打ち身などによる内出血になったときはどのような処置をすればよいでしょうか。
方法は簡単で、まず最初は冷やします。
打った直後であるならば、すこし圧迫しながら冷やすと良いでしょう。
そして、2,3日経って血管が塞がった頃になると、温めて血行を良くして快復力を上げます。
基本的にはこれだけです。
薬は自己判断で用いるのは止めた方がよいでしょう。
ファンデーションなどで隠す方がよいかと思われます。
是が非でも使うなら、打ち身に対して用いる冷湿布・温湿布といったところですが、痛みがひどくないのであれば、やはり使わない方がよいでしょう。