夏になるとお子さんにかぎらず冷たい食べ物や飲み物を口にする機会が増えますね。
経験的にこういったものを摂りすぎると腹痛になったり、時には下痢になってしまうことを私たちは知っています。
ではこの腹痛や下痢といった症状、体内のどういったメカニズムで引き起こされるのでしょうか。
冷たいものを食べて腹痛や下痢をおこす原因
食べ物や飲み物は体内に入るとそのままの状態から体に取り込みやすい成分へと分解されます。
これを一般的に消化と呼びますが、この消化の働きに大きく関わっているのが消化酵素です。
そしてこの消化酵素には働きに適した温度があり、あまり温度が低いと酵素の働きが急激に弱まることで消化不良を起こします。
また冷たいものは刺激となり、腸のぜんどう運動が活発化します。
これは腸内の内容物を外に押し出そうとする運動で、この結果消化不良のまま下痢となって排出されることがあります。
少量のアイスクリームなどは体を適度に冷やし食感としてもおいしくいただけますが、量が過剰になりますと消化酵素の働きの低下とぜんどう運動の活発化を同時に引き起こします。
夏だとよく摂取するものとして冷えた麦茶やスイカ、ビールなどがありますが、これらも同様です。
⇒麦茶の飲み過ぎは健康に悪い?下痢や腹痛にもなりやすくなる?
その結果腹痛や下痢といった症状を引き起こす原因となるのですね。
冷たい食事が原因で下痢・腹痛になったときの対処法
冷えが原因であることがわかっている場合は、やはり温めることが大切です。
過敏になった胃や腸内を落ち着かせるためにも、常温に近い状態へと近づけます。
腹部を外側から温めることも有効ですし、ぬるま湯などを少量ずつとることで内側から温めることも効果的です。
また下痢が長く続くと水分をとらなくなってしまうこともありますが、脱水にならないためにも適度に水分を補給する必要があります。
⇒水分補給は水、お茶、麦茶、スポーツドリンク、ジュース、どれがいいの?
お薬などを服用することもできますが、自然の治癒力で対処できる場合はむやみに頼らないほうがいいでしょう。
下痢や腹痛を早く治すには
テレビコマーシャルなどではお薬の販売促進のために、「この薬を飲めばたちどころに痛みがおさまっていつも通りに食事できます!」といった主旨で宣伝しているものをみかけます。
しかし下痢や腹痛などといった症状は身体からのサインの一つです。
今は身体に無理がかかっているから少し休ませてほしい、という訴えでもあるのですね。
冷たいものを食べすぎた・飲みすぎたことが原因とはっきりわかっている場合は、まず胃や腸をゆっくりと休ませることでしょう。
その上で無理に普段どおりの食事をするのではなく、食べやすいお粥などで様子をみることが回復への近道であると考えられます。
ただ腹痛・下痢も症状によっては重い病気が隠れている場合がありますので、長く続くようなら医療機関に相談してみましょう。