風邪やアレルギーなどで咳がなかなか治まらないことがあります。
それにあわせてなんとなく身体の節々が痛くなることがありますね。
とくに痛みがよく見られる部位として、お腹、背中、胸のあたりが挙げられます。
このような痛みは咳が原因の筋肉痛なのでしょうか。
もしくは別の病気になっている可能性があるのでしょうか。
咳による腹筋、背中、肋骨付近の痛みと筋肉痛との関係
咳が出る役目は気道の分泌物を身体の外に排出することです。
では私たちが風邪などで咳をするとき、自分で意識的にしているでしょうか。
咳払いの場合は意識的なものですが、風邪や乾燥による咳は無意識ですね。
有害と判断された異物を身体が半ば強制的に排出するのが咳です。
無意識で構えていない状態からの動き、つまり咳は身体に予想以上の負担をかけます。
咳が頻繁に出る時を想像すると、意外にも身体全体が動いていることがお分りかと思います。
特に腹筋や背筋は咳をするたびに力が入ります。
肋骨付近も脇腹に近いためやはり力が入ります。
この状態が継続することで周辺の筋肉が筋肉痛となるのですね。
咳による腹筋、背中、肋骨付近の痛み・筋肉痛以外で考えられる病名
咳が原因の腹筋、背中、肋骨の痛みに限定して言えば、それが病気に直結するということはまずありません。
ただ病気ではなく、ケガならば可能性はあります。
例えば背中の延長線上で腰痛がひどい時。
この場合考えられるのはぎっくり腰です。
くしゃみでよく見られる症状なのですが、咳でも腰にはかなりの負担がかかります。
その結果ぎっくり腰になってしまう可能性はあります。
また肋骨付近の痛みについて。
この場合については「咳・くしゃみで胸の痛みが!骨折の可能性も?」でも書きました通り、考えられるのは肋骨の骨折や肋間神経痛です。
骨折と言っても完全に折れてしまうことはあまりありません。
長引く咳によって負担がかかり、ひびが入ってしまうことがあるのです。
また肋骨に沿って走っている神経にも負担がかかります。
これが原因となって肋間神経痛になってしまうこともあるのです。
咳によって腹筋、背中、肋骨付近に痛みが出た場合の対処と対応できる診療科目
先に述べましたように、咳は身体に侵入した異物を排出するための運動です。
つまり必要があって出ているので、無理矢理抑えることは得策ではありません。
とは言え長引く咳で節々が痛くなるのは困りますね。
ぎっくり腰や骨折ともなると、ご自身で対処できないので整形外科を受診するしかありません。
しかしそれ以外の全般的な痛みついては、何か対処方はないのでしょうか。
痛みが筋肉痛の場合なら、休むのが最も良い対処法となります。
しっかり休めばおおむね2~3日で回復するでしょう。
痛みがあまりにも気になるときは、冷やしたり温めたりするのが良いでしょう。
痛みの出始めには「冷やす」、痛みが治まってきたら「温める」のが最も効果的です。
結論としては痛みに対処するというより、身体が痛むほど咳が継続しないようにするしかありません。
抑え込むことはできないにしても、咳の回数や継続する期間を減らすことはできます。
しかしこの対処はなかなか自分だけでできるものではないので、受診されるほうが近道でしょう。
一過性の効果しかない市販薬を使うよりは、症状にあったお薬を処方してもらった方が効果的です。
咳が軽くなれば腹筋、背中、肋骨に痛みが出ることを未然に予防することができるのです。
最後に診療についてまとめますと、筋肉痛・腰痛などの直接的な痛みなら整形外科。
そもそもの原因である咳を鎮めたい、という場合は内科での受診となります。