なかなか人に言えないことではありますが、誰しも経験があることでしょう。
下痢になったときの腹痛と肛門の痛み。
経験的には知っていても、こういった痛みについてあまり掘り下げて考えることはありませんね。
今回は下痢による腹痛・肛門の痛みについて少し詳しく調べてみました。
下痢便をしたときに肛門が痛くなる理由
たまたま一回だけ水気の多い便が出た。
こういった下痢は別として、風邪などからお腹をこわして下痢をすると長引きます。
夏だと冷たいものを食べたりするとよくなりますよね。
⇒冷たいもの、アイスを食べると下痢や腹痛になるのはなぜ?原因は?
そしてこの長引く下痢は腹痛を伴いますし、回数を重ねるごとに肛門も痛くなりますね。
ではなぜ下痢で肛門が痛くなるのか、考えたことがあるでしょうか。
単に回数が多いから肛門に負担がかかるのでしょうか。
たしかにそれもありますが、実は消化液と関係があるのです。
下痢による排便は食べ物や水分が未消化のまま排出される状態となっています。
この時、消化液も中和されないまま便とともに排出されることがあります。
この消化液はとても刺激が強いため、粘膜に近い肛門部分を傷つけてしまうのですね。
そして傷が回復する前に繰り返し排便が起こることによって、だんだんと痛みが増していくのです。
下痢のときにお腹が痛くなる理由
通常の便意でも腹痛は伴います。
これは便が肛門付近に滞留することにより、脳が排便を促しているという自然の生理現象です。
その理屈はわかるのですが、下痢がひどい時は排便に関係なく痛みが続くことがありますね。
この痛みは下痢の原因によって変わってきますが、体性痛と内臓痛によるものなのです。
体性痛とは腹膜や腸の膜の炎症による痛みです。
長引く下痢で腸内が酷使され、炎症を起こしてしまうのですね。
内臓痛は胃腸炎や食中毒など、病気の程度が重い場合の痛みと言えます。
ウイルスや菌によって内蔵が病的な状態になり、その反応として腸などがけいれん・収縮を起こします。
これが痛みとして感じられるのです。
⇒下腹部が痙攣し、ポコポコ・ピクピク動く!原因は?病気なの?
下痢によって腹痛や肛門の痛みに悩まされないためにできること
順番に対処を考えていきましょう。
まずは下痢による肛門の痛みについてです。
下痢になった時の肛門は消化液などでダメージを受けていることはわかりました。
この状態であまり強く拭きすぎたりするとさらに傷を付けてしまうことになります。
できればウォシュレットを使用し、あまり刺激にならない程度の水圧・温度で洗い流します。
そのあと水分を軽く拭きとる程度にすると負荷が少なくなるでしょう。
次に腹痛についてです。
下痢の原因はそれぞれですが、消化器官に負担がかかっていることには違いありません。
言うまでもないことかもしれませんが、この時期にわざわざ刺激の強い食べ物を摂ることは控えましょう。
水分は十分にとる必要がありますが、体温に近い温度にします。
真夏であっても冷たすぎる飲み物は刺激となるからです。
普段よりも身体をいたわることで回復を待つという方法ですね。
ただ強すぎる腹痛を我慢してやりすごす、というのはあまりお勧めできません。
内臓痛について少し触れましたが、食中毒などで腸がけいれんを起こしている可能性もあるからです。
最近はヒスタミン食中毒という熱しても効果がない食中毒にかかるケースもよくありますからね。
下痢による腹痛は内服薬で比較的早期に改善することができます。
あまり痛む時はお近くの内科を受診してみましょう。