膝の裏が痛むとき、人は無性に不安になります。
年齢のせいかな?
あの時無理しすぎたかな?
思い当る事を色々と考えてしまいます。
とりあえず安静にしようとしてみても歩かないわけにはいかないし、念のためにと湿布で冷やしてみたものの、あんまり効果がない…。
こんな悩みを抱えている人、きっと多いと思います。
痛みの具合も、ピリピリとしたものから、電気が走るようにズキッとする症状とさまざま。
いずれにしても立つことすら億劫になってしまいますよね。
膝の裏の痛みには、一体どんな原因があるのでしょうか。
触ってみるとゴリゴリとした、“しこり”のようなものがある
しこりと聞くと、ちょっとびっくりしますよね。
何か大きい病気だったら…と心配になります。
膝の裏はたくさんの筋肉が集まっていて、筋肉痛になりやすかったり、また、しこりができやすい部位でもあるんです。
立ったり座ったりなどの動作の時、圧迫感やコリコリとした違和感があるときは、以下のような原因が考えられるようです。
ちょっと聞きなれない病名ですが、中年期の女性によく見られるベーカー嚢腫(のうしゅ)というものがあります。
膝の曲げ伸ばしの際、違和感があったり、痛みを伴うようです。
膝窩(膝の裏)にある関節の袋に水が溜まり、しこりのように感じるのです。
治療は、注射器で水を抜く方法があります。
他にも、膝の裏にゴツゴツとしたしこりができる膝窩静脈瘤が考えられます。
立ち仕事や出産で血栓(血の塊)が詰まり、コブのようになります。
血栓がなくなると改善されるのですが、ひどい場合は治療が必要な場合もあります。
それでも、やっぱり一番心配なのは腫瘍ですよね。
腫瘍には良性と悪性(ガン)があります。
悪性かどうかは、組織を取って検査をする必要があります。
痛いと思ったら腫れていた…。そんな時どうする?
膝の裏には、大きな血管やリンパ管が通っています。
リンパとは、血液の中にある血漿(けっしょう)という成分が染み出たものです。
主な働きは、老廃物や栄養の運搬を行っています。
筋肉の動きでリンパの流れは変わるそうです。
つまり、運動不足気味だったりするとリンパ液は詰まりやすくなるのです。
腫れを感じたときは、リンパ液が溜まってしまっているのかもしれません。
リンパの流れをよくするためのストレッチやマッサージをしてみることをお薦めします。
膝の裏に痛みがあると、痛みの部位を念入りにマッサージしがちです。
注意してほしいのは、筋肉の流れに沿ってリンパ液を流すよう、足先から足全体にかけて丁寧に行うことが大切なのです。
それでも改善されない場合
一口に、腫れやしこりといってもここで紹介したもの以外の原因もたくさんあります。
詳しく検査をしてみないとわからないことも多いのです。
痛いからといって、冷やすのは逆効果。
足を温めてみたり、リンパマッサージをしてみて、それでも症状が改善されないときは、病院で診てもらいましょう。
どこを受診したらよいか悩みますよね。
膝の裏の痛みであれば、整形外科で大丈夫です。
一度レントゲンや採血など、詳しく検査してもらいましょう。
痛みのために、景色を楽しむ散歩もままならないと、気分も沈みがちになってしまいますよね。
自分の足で、いつまでも元気いっぱい歩きたいものです。