シーソー呼吸というものをご存知ですか?
これは、新生児にも起こりやすい異常な呼吸状態のひとつです。
赤ちゃんのいるママは特に、いざというときのために注意点や対処法を頭に入れておきましょう。
シーソー呼吸とは
まず、いちど呼吸して、胸やおなかを注意して見てください。
胸からおなかにかけて、全体がふくらんだりへこんだりしていますか?
それが正常な呼吸の状態です。
通常の呼吸はそのように胸とおなかが同時に上下するのですが、
シーソー呼吸とは空気を吸ったときに胸が陥没しておなかがふくらみ、吐くときにその逆となる呼吸のことです。
この原因は上気道の閉塞や異物の影響によるもの、扁桃・喉頭蓋の炎症などとされています。
大人、子どもに関わらず喘息の患者が強い発作を起こし呼吸困難に陥ったときに、他の症状などとあわせてシーソー呼吸が生じるケースも多く見られます。
また、このシーソー呼吸は胸郭がやわらかい子どもにも起こります。
特に、まだ骨も未発達な新生児がなりやすく、成長して骨が強くなったり体が成長すると自然に治ることもあります。
治療効果が思わしくない場合は、喘息などに発展するケースもあります。
新生児の呼吸障害は進行も早く、重症化しやすいのが特徴です。
また、シーソー呼吸と似た症状に陥没呼吸と言うものがあります。
こちらは、鎖骨の上の部分や助間がへこみます。
シーソー呼吸などの呼吸困難に陥ったら
シーソー呼吸の状態については理解していただけたと思いますが、シーソー呼吸が起きる際は、それ単体だけでなく呼吸困難時のさまざまな症状を併発します。
以下のような症状が出ていたら、注意してください。
- いびきをかいたり、喘息のようなヒューヒューした音がする
- 冷や汗をかいている
- 息を吸うとき、おなかはふくらむが、胸はへこむ(先述の説明の通りです)
- 脈がいつもより速い、または遅い
- 刺激しても反応がない
- チアノーゼがある
- 呼吸が弱い
- 肩で息をする
- 多呼吸になっている(乳幼児の場合、1分間に50回以上がめやす)
さらにひどくなると、こんな症状が起こります。
- 呼吸とともに鼻の穴がピクピクしている(鼻翼呼吸)
- 息を吐きながら「う~」とうなっている(呻吟)
- 意識が遠のいている(意識障害)
自分で水が飲める年齢であれば、コップ1~2杯の水を飲んだり、できるだけ息を大きく吸う、吐くを何度か繰り返すことで応急処置ができます。
それでもおさまらないときは迷わず救急外来を受診してください。
赤ちゃんの場合は、言葉でしんどさを伝えることもできません。
他にも、明らかにいつもより機嫌が悪い、苦しそうにしているなど、様子がおかしいと思ったらすぐに病院に連絡してください。
なお、四肢に出ているチアノーゼは乳児特有のもので、特に心配いりません。
この場合注意すべきは、唇や顔の中心、おなかなどに出るチアノーゼです。
新生児の呼吸疾患で起こることが多く、迅速な治療を必要とします。
状態によって救急診療や119へ連絡してください。
呼吸困難時の対応は一刻を争います。
いざというときパニックにならないためにも、このあたりの知識を頭に入れておきたいですね。