ゴホゴホゴホ………。
急な咳き込みはとてもツラいものです。
呼吸をしようとしても咳が邪魔して上手く息が吸えない。
本当に苦しいものです。
なかなかよくならないと、なんだか気分も沈みますよね。
たかが咳…、と考えては危険なんです。
咳は重大な病気のシグナルを発している可能性もあるのです。
咳はなぜ起こるの?咳の役割とは?
一度出だすとやっかいな咳。
「なければいいのに」と思いたくなりますが、そのメカニズムは、体を守ろうとする防衛反応にあります。
空気中には、カビやハウスダスト、花粉やウイルスなど、目には見えない細かな粒子がたくさん浮遊しています。
気管や肺はこの粒子に大変弱く、少しの刺激で炎症を起こしやすいものです。
体にとって異物が侵入しようとしたとき、センサーが働きます。
その後、脳に伝達され、咳反応が起こります。
つまり、咳は飛沫とともに、これらの粒子を体の外に排出しようとしているのです。
市販の咳止め薬などで止めたくなりますが、無理に止めないほうがいいという考え方の医師もいるくらいです。
咳に隠れた様々な病気
通常の風邪とよばれる上気道感染症は、2週間程度で咳が治まるのが特徴です。
2週間以上咳が続いたり、次のような症状が出ている場合は他の病気も潜んでいることも考えられます。
考えられる病気
- 吐き気が伴う
インフルエンザや百日咳などの感染症や食物アレルギーなど。
咳反射が刺激されると、それに伴って、胃腸も刺激され、嘔吐してしまうことがあります。
吐き気も咳と同様、防衛反応ですので、自分の意思で止めることはできません。
- 頭痛
良性咳嗽性頭痛(りょうせいがいそうせいずつ)
咳をすると、無意識のうちに、頭にも力が入っています。
そのため、頭蓋骨内にも圧力がかかり頭痛を訴えます。
咳が治まると数分も経たず治まるようです。
- 痰
風邪の場合がほとんどですが、肺がんや結核も注意が必要。
痰は、気管などの粘膜にハウスダストなどの外部刺激が付着したとき、外に排出しようと、粘性の液体を出ることを言います。
もちろん、風邪の場合でも、咳と痰が同時にでることはよくあります。
しかし、2週間以上よくならない場合は、肺がんや結核などの重い病気も考えられます。
- 血が混じる
インフルエンザなどの感染症の他、肺がんや肺炎も。
痰に血が混じることを血痰の症状が出ると心配ですよね。
気管の粘膜は非常に弱いので、咳などの些細な刺激で出血することがあります。
しかし、肺がんや肺炎の症状でも、血が出ることがしばしば見受けられます。
血痰の症状が出たときは、早めにレントゲンを撮るようにしましょう。
咳が気になるときの応急処置
咳があまりにもひどく、ツラいときには、一時的にですが、改善する方法があります。
気道のツボを優しく刺激してあげるマッサージ法です。
横になると咳が余計に出るときは、気道が圧迫されて苦しさを感じるようです。
起座呼吸と言って、寄りかかって座った状態を保つようにしましょう。
また、喘息の応急処置にあるのですが、コップ一杯の水をゆっくり飲むことで、気管に付いた花粉などの汚れを洗い流すという方法もあります。
簡単にできるのでぜひ試してみて下さい。
それでも、なかなか咳が止まらない時は、病院を受診しましょう。呼吸器科が一番いいのですが、もし、なければ内科も大丈夫です。
咳は長引くと体力も消耗してしまいます。
呼吸ができないほと苦しいときは、吸入などの処置もあります。
早く良くなるといいですね。