ストレス社会。感情コントロールが上手くいかず、訳もなくイライラ。
悪気のない相手に八つ当たりして、またまた自己嫌悪。
周りはいつも穏やかなのに、怒りっぽいのは自分だけのような気がする。
人間関係にも支障が出るから改善したい。
キレる自分をなんとかしたい。
このような悩みを抱える人達は、すがるような思いで日々を生活しています。
「怒る」という心のメカニズム
心理学的観点からいうと、「怒り」は自己防衛だそうです。
何か身の危険を感じたとき、怒りで相手を警戒し、その怒りの元を近づけないようにする作用があります。
野生の動物だって、生きるために“威嚇”しますよね。
人間には心があります。
心無い一言を浴せられたときは悲しくなります。
どうしてあの人は私を傷つけるのだろうと不安になります。
その傷ついた気持ちが憎しみに変わり、「怒り」として攻撃してしまうのです。
本能と言っていいかもしれません。
ただ、人には人間関係を円滑にするコミュニケーション能力が備わっています。
本来ならば、怒りの感情を上手くコントロールすることができます。
ところが最近、このコントロールが上手くいかない、いわゆる「キレやすい」人が増えてきました。
この、「キレる」行為は周囲も驚いてしまいますが、当の本人でさえも感情の浮き沈みに悩んでいるということはあまり知られていません。
キレやすいのは病気だから?
怒りの感情が出ている時、脳にはノンアドレナリンというホルモンがでています。
その感情のコントロールに必要とされる、脳内ホルモン物質「セロトニン」。
ストレスを軽減する役割があるとされています。
このセロトニンが減少することにより、イライラしたり、キレやすくなります。
セロトニン不足により発症するのが、心の風邪と呼ばれるうつ病です。
うつ病にもキレやすいという症状があります。
睡眠不足や日射不足などでセロトニン量は減少すると言われています。
効果的な解決方法としては、睡眠をたっぷり取り、太陽の光を浴びてウォーキングなどの軽い運動をすることで、感情のコントロールが上手くいくようになることもあるようです。
発達障害が原因の「キレる」
発達障害という病気があるのをご存知でしょうか。
脳の中枢神経系に何らかの異常があり、人間関係や学習などに困難を感じる症状を言います。
感情が表に出やすい発達障害として、アスペルガー症候群や、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などがあります。
相手の気持ちをくみ取ることができないなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
もし「キレやすい」「怒りやすい」という症状がある場合は、この発達障害の可能性もありえます。
コミュニケーションが苦手だったり、集中ができなかったり、整理整頓ができない、といった傾向もある人は少し疑った方が良いかもしれません。
ただ、乳幼児健診など、できるだけ早い時期に発達障害に気付くことで、その後の関わりに変化をもたらすことができます。
最近では、内服薬の使用によって症状を軽くする治療法も出てきました。
現に、「薬で落ち着いた。」という声を聞いたこともあります。
発達障害が原因の「怒り」は、本人の努力次第で改善できるものではありません。
また、両親のしつけの問題でもないのです。
ツラいときは周囲に理解を求めましょう。
心療内科を受診することも一つの方法です。
ご自身に合った治療法・改善方法を探してみましょう。
ということで、「怒りやすい」「キレやすい」原因について見てきましたが、いかがでしょうか。
大したことなさそうだと思っても病気だということもありえますので、まずは周りの人・医者などに相談しましょう。
発達障害は病気ではありません。