突然、めまいのような、一瞬、意識が飛ぶ感覚に陥ることはありませんか?
実際、ドサッと倒れてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
ものの数秒で回復したから良かったものの、もし、これが運転中だったとしたら…。
想像すると、ゾッとしますよね。
もしかしたら、脳に何か異常があるのではないかと不安になります。
ここでは意識が飛ぶような病気について考えてみましょう。
一瞬、意識がなくなるということ…
私たちは、「意識」という言葉をよく使います。
では、意識があるとは、一体どういう状態を指すのでしょうか。
意識とは、簡単に言うと、起きている(覚醒)状態のことをいいます。
自分が、今どこにいて、何をしていて、今日は何月何日か、という身の回りのことを理解できている状態です。
しかし、精神的ストレスや、病気で脳に何らかの影響があるとき、身の回りの区別がつかなくなり、立つなどの動作さえもままならなくなることがあります。
「目の前が真っ暗になる」、「意識が遠のく」と表現されたりもします。
原因として一番考えられるのが、病気などにより、一時的に脳へ血流が行き届かなくなることです。
酸素を含んだ血液が届かないことにより、軽い酸欠状態となり、脳としての機能を果たせなくなるのです。
意識が遠のく症状で考えられる病気とは
ではその病気とは何なのかといいますと、以下のものが考えられます。
ナルコレプシー
夜中、たっぷりと睡眠を取っているにも関わらず、日中猛烈な睡魔に襲われる病気です。
5分ほどの睡眠ですっきりするのですが、1時間もするとまた睡魔がやってくるという繰り返しです。
原因は不明で、運転中など、時間を選ばずやってくるので治療が必要です。
起立性調節障害
学童期の子どもによく見られる病気で、自律神経やホルモンバランスの乱れで立ちくらみを起こします。
血液は、心臓のポンプの役割で体中を循環しています。
心臓だけでは脳まで送り届けることが不可能なので、第二の心臓と呼ばれる下半身の筋肉が収縮することで、心臓の機能を補っています。
子どもは、筋肉の発達が未熟なため、横たわっている状態から急激に立ち上がると、下半身の筋肉の収縮が間に合わず、酸欠状態になるのです。
その他、血液が薄くなる貧血、血管が詰まる脳梗塞や心筋梗塞、精神的ストレスによるものなど、血液の流れが原因で、脳の酸素不足による意識障害があります。
中には、脳神経系の異常な興奮によるてんかんの可能性もあります。
てんかんの場合、本人に意識が飛ぶという自覚症状がないケースが多いため、5分以上意識がはっきりしない状態が続くときなど、周囲の人が注意深く観察する必要があります。
あきらかに痙攣発作を起こしている場合は、迷わず救急車を要請しましょう。
意識が飛ぶときはどんな対処方法がありますか?
一時的に意識が飛ぶ症状がある方は、普段から血流をよくする体操がおススメです。
脳へ酸素を送ることが目的としています。
ふくらはぎをもむマッサージも効果的です。
もし、意識が飛んだ感覚に陥った場合は、足を高くするために、足の下に丸めた毛布を入れて横になりましょう。
頭を下にし、足に溜まった血液を上半身に戻すため応急処置です。
貧血などのときによく使われます。
また、症状が頻繁に続くときは、脳神経科で脳波やMRIなどの検査をしてみましょう。
血流や神経に異常がないか調べることが可能です。
失神の状態を起こすと、日常生活にまで支障をきたすようになります。
下痢や腹痛で失神になるという事例もあります。
症状に合わせた治療を開始することで、改善が見られるようになってきています。
最近は、良い薬もたくさん出ていますので、できるだけ早期に発見したいものですね。