幼いころから、左手薬指に茶色いシミのようなものがあって、気になっているという女性がいます。
てっきり汚れかと思って、お風呂の際、念入りにゴシゴシ洗っているものの、落ちる気配もない。
両親に尋ねてみると、生まれつきのあざだったそう…。
こうやって悩んでいる方、多いですよね。
服に隠れる部分だったらまだいいのですが、顔や腕など、人の目に触れる部分だと、その悩みも、より深いものになります。
先天性のあざは遺伝によるもの?
母親が妊娠中、葬式に参加するとその赤ちゃんにはあざができる…、そんな迷信があります。
でも、これはあくまでも迷信であり、また、遺伝も関係がないと言われています。
もし、お子さんにあざがあった場合も、原因が母親にあるわけではありません。
お母さんを責めないであげて下さいね。
先天性のあざには2種類があります。
日本人の赤ちゃんのお尻によくみられる蒙古斑。
これは、成長とともに消失するので、まず心配は要りませんよね。
一方で、成長しても消えないあざもあります。
メラニンと呼ばれる皮膚の色素が異常に発生して沈着するものに、茶色の扁平母斑や青色の太田母斑があります。
扁平母斑は、全身に6か所以上見受けられる場合、カフエェオレ斑とも呼ばれ、神経系の「てんかん」などの病気が隠れている場合もあり、医師の診断が必要です。
また、メラニン色素が作られない白皮症や尋常性白症、毛細血管の異常によりできる赤あざもあります。
一口にあざといっても、色や原因も様々。
できる部位や大きさにも個人差があります。
あざの症状を軽くしたい!よい治療法は?
そこで、次にあざの治療法をご紹介いたします。
レーザー治療
あざの治療では最もポピュラーなレーザー治療。
赤ちゃんの肌は薄く、レーザー照射が皮膚の奥深い部分まで達するので、できるだけ早い時期に開始することで、治療の効果が期待できます。
最近では、保険適応で治療が受けられるようになりました。
回数がかかるレーザー治療で、経済的な負担が軽減されるのは助かりますね。
ただ、あざの種類や色の濃さによって使用するレーザーが異なり、ともすると、あざの濃さがよりひどくなる可能性もあります。
信頼できる病院で治療しましょう。
塗り薬
メラニン色素の異常沈着によるあざに対して、薬局などでも市販の塗り薬が手に入ります。
レーザー治療ほど期待できませんが、あざの色を若干薄くする効果はあるようです。
より深いところまで塗り薬を浸透させるための、薬の正しい塗り方があります。
外科的手術
黒あざなどの、範囲が狭く、部位もはっきりしているあざに適応されます。
皮膚を直接切除するので予後はいいのですが、傷跡が残ってしまうのがデメリットです。
皮膚の成長と共に薄くなる
先天性の茶色いあざは皮膚が成長するとともに伸びる性質があります。
あざの範囲は広がるのですが、その分色素は薄くなり、段々と目立たなくなります。
あざの悩みを抱える方にとっては、そのあざの部位を切り取ってしまいたいと思うほど、その悩みには深刻なものがあります。
周囲の目が気になり外出できなくなるなど、心の病の引き金になることもあります。
皮膚科の先生ともよく相談しながら、あざの治療を進めてほしいと思います。
医療は日々進歩しています。
これからより画期的な治療法がでてくるといいですね。
生まれてからできたあざについてはこちらで解説していますので、興味があれば合わせてご覧ください。