お腹を、上腹部と下腹部に分けて見たとき、特に下腹部は痛みなどの不調を訴えやすいものです。
それは、下腹部には、生殖器官、泌尿器管、消化器官など、生命維持に必要な臓器がたくさん存在しているからです。
下腹部の異常は、激痛を伴うものから、吐き気、張っている感じなど、症状の現れ方も多数あります。
今回は、①張りや痛み ②頻尿 ③吐き気 といった症状別に原因や考えられる病名、対処方法などをご紹介いたします。
下腹部の張り・痛みについて
便秘
正常にお通じがでていないことで、大腸に便やガスが溜まってしまい、左下腹部に強い張りを感じるようになります。
水分をよく摂るようにし、お腹を温めたり、マッサージをすることも効果的です。
⇒水分補給は水、お茶、麦茶、スポーツドリンク、ジュース、どれがいいの?
急性虫垂炎(盲腸)
子どもによく見られる急性虫垂炎。右上腹部やみぞおちあたりに違和感を覚えてから、時間の経過とともに、徐々に右下腹部へ痛みが移動することがあります。
腹部の痛みがひどい箇所を指で強く押して、離すととても痛がる特徴があります。
あわせて、発熱や下痢、嘔吐などの症状もあります。
軽度の場合は、薬で散らすことも可能ですが、重症化すると盲腸に穴が開いたり、腹膜炎を起こすことがあります。
内科の受診でも良いのですが、手術適応の場合もあるので、外科を受診することをおススメします。
子宮内膜症や子宮ガンなどの婦人科系疾患
子宮や卵巣などに筋腫やガンなどの腫瘍があると、重く感じたり、腹水が溜まってお腹の張りを感じるようになります。
その場合、エコーでの診察が必要となってきます。
婦人科系の疾患は、恥ずかしさがあって、受診もためらってしまいますね。
しかし、治療には早期発見が一番。
早めに、産婦人科で診てもらうようにしましょう。
お腹の張りとともに頻尿があるとき…
膀胱炎
腎臓で作られた尿を一時的に保管する臓器の膀胱は、本来、無菌状態です。
しかし、ストレスなどで体の抵抗力が落ちたとき、大腸菌が尿管を通じて侵入し、膀胱の粘膜に炎症を起こします。
膀胱炎を起こすと、尿意を頻繁に感じるようになったり、血尿がでることもあります。
⇒血尿の色で病気が決まる?茶色やオレンジ、ピンクのときの病気は何?
我慢をしていると慢性膀胱炎になり、腎臓に影響をきたすことがあるので、泌尿器科を受診しましょう。
できるだけ水分をこまめに摂り、菌の排出を促します。
子宮器疾患、前立腺炎など
女性は生理中や子宮筋腫、男性は前立腺炎などで、生殖器が膨張すると、すぐ近くにある膀胱が圧迫されます。
そのため、頻尿傾向になるといいます。
体が冷えると、生殖器に不調をきたしやすくなるので、温めてあげましょう。
痛みに伴って吐き気があるときは…?
急性腸炎
腸の風邪と呼ばれる急性腸炎。
下痢や発熱の症状とともに、腸が弱っていることによって、嘔吐や吐き気があります。
胃腸に優しい食べ物を摂るようにしましょう。
嘔吐が激しいときは、胃腸科がお薦めです。
尿路結石や急性虫垂炎など激痛を伴う病気
激しい痛みがある疾患には、胃にも不調をきたします。
痛みからムカムカとし、嘔吐してしまうのです。
泌尿器科で、早めの治療を必要とします。
以上、痛みや頻尿などの症状別に、考えられる病気をご紹介してきました。
これらに他にも、様々な疾患があります。
下腹部の異常は診断が難しいこともあり、また、痛みを放置しておくと、腹膜炎など、別の病気に移ることもあります。
病院では、具体的にどのような症状があるか、医師に詳しく伝えるようにしましょう。
下腹部の症状については以下の記事も見ておくと安心できるでしょう。
⇒下腹部に違和感やチクチクした痛みがある!原因は?病気なの?病院は何科に行けばいい?