禁煙中の方が気分を紛らわせるためにガムを噛む。
そのことが原因で顎が痛くなったという話しを時々耳にします。
また普段あまり食べないスルメのような硬い食べ物。
これが原因で顎が痛くなることもありますね。
ではこの痛み、顎またはその周辺の筋肉痛によるものなのでしょうか。
顎が筋肉痛?顎が外れた?痛みの種類について
顎の痛みと聞いて一番初めに連想する言葉。
「顎関節症」を思い起す方が多いのではないでしょうか。
マンガなどで顎が外れてしまったお年寄りをコミカルに描くことがありますね。
⇒顎が外れる原因は?治療・治し方は?病院は何科に行けばいい?
何気なく見ていますが、この辺りの痛みの種類や違いをご存じでしょうか。
タイトルのようにガムやスルメなどを食べ過ぎると顎が痛くなります。
ものを噛むために使用する筋肉に無理がたたった結果ですね。
顎が外れる現象の正式名称を「顎関節症」と勘違いしておられる方がいらっしゃいますが、これは間違いです。
顎関節症とは顎周辺の筋肉や関節がなんらかの原因で痛みを伴っている状態です。
つまり一種類の症状に限定して名付けられるものではありません。
ガムなどを噛みすぎて顎が筋肉痛になることはあります。
これが病的な痛みにまで進行すると、顎関節症と診断されるのです。
これと「顎が外れた」状態は全く別物です。
顎の痛みで考えられる病気やケガと受診の必要性について
もう少しこの辺りのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
ものを噛むことを咀嚼(そしゃく)と言います。
そしてこの咀嚼に使われる筋肉が咀嚼筋です。
ガムやスルメの噛みすぎで病的に顎が痛い。
これは咀嚼筋の疼痛による顎関節症です。
顎関節症の症状は咀嚼筋のほか、関節の痛みも含まれます。
口を開け閉めしたときにカクカクと音がして、これが痛む場合などですね。
そしてこれに似た症状が、いわゆる「顎が外れた」という状態です。
これは文字通り顎と頭をつなぐ部分の骨が外れてしまった状態です。
マンガで描かれるように口が大きく開いて閉じられなくなった状態ですね。
そしてこの「顎が外れた」状態は顎関節症とは呼びません。
これは顎関節脱臼と呼ばれ、関節の脱臼に症状が限定されるのです。
少し煩雑になってきましたので、そろそろこれらの症状と診察する場合の受診科目などをまとめましょう。
タイトルのように咀嚼によってもたらされる筋肉や関節の痛みは顎関節症です。
この場合の受診科目は歯科・歯科口腔外科など口周りを専門とした病院です。
そして顎が外れてしまった場合の痛みは顎関節脱臼です。
この場合は骨のスペシャリストである整形外科。
もしくは口腔外科でも対応できる場合があります。