なんだか鼻に温かいものを感じて、鼻水かなと思ってティッシュでふき取ってみた。
真っ赤な血がたくさんついていた。
鼻血だった…。
慌てて鼻をつまみ、止血してみる。
確か、鼻血の応急処置は上を向いてはいけないんだっけ?
冷やした方がいいのかな?
あまりに続くものだから、心配になってくる。
鼻血ってどうして出るんだろう?
毎日のように頻繁に出る鼻血…、どんな病気がある?
鼻からの出血で、一番考えられるのは、鼻の入り口の内側にある、キーゼルバッハ部位という所が、異物の侵入などにより、傷ついてしまったことによる鼻出血です。
この、キーゼルバッハ部位というのは、静脈の毛細血管が集まっていて、わずかな刺激に弱く、すぐに鼻出血を起こします。
一度傷つくと、なかなか治りにくく、毎日出血を繰り返すことがあります。
原因として、アレルギー性鼻炎などにより、鼻を頻繁にかむ習慣から、鼻の粘膜を傷つけてしまうのです。
キーゼルバッハ部位による出血であるならば特に心配はいりません。
ただ、大人の鼻血には大きな病気が隠れていることがあります。
例えば、高血圧・糖尿病、腫瘍、蓄膿症などです。
特に怖いのが、血液のガンと呼ばれる白血病。
発症年齢は子どもから高齢者と幅広く、鼻出血とともに微熱を伴います。
止血しても止まりにくく、あざができやすいという特徴があります。
これらご紹介した病気は、検査をしてみないと分からないので、鼻血が続く場合は、一度詳しい検査を受けてみることをお薦めします。
鼻血の後に大きな塊がでるとき
鼻血がしばらく続いた後、ドロッと大きな塊が出ることがあります。
見たことがある方は、あまりの大きさにびっくりしますよね。
でも、これは、血液の凝固作用によって鼻の奥の血液が固まっただけのもの。
血液は酸素に触れると、それ以上の出血を防ぐため、止血しようと固まる力があります。
そのため、塊があるからと言って、必ずしも、大きな病気があるというわけではありません。
ただ、鼻の奥から塊が見えていても、無理に取り出そうとすると、再び粘膜を傷つけてしまいます。
飲み込んだりせず、鼻から自然に出てくるのを待ちましょう。
塊が出た後は、鼻血が止まっていることが多いようです。
鼻血の正しい処置の方法
ここでは、正しい鼻血の止め方をご紹介します。
まず、親指と人差し指で鼻を軽くつまみます。
よく、上を向いて、首の後ろをトントンとたたくとよいと言われますが、これは大きな間違い。
胃に血が流れてしまい、気分が悪くなったり、嘔吐をもよおしてしまいます。
うつむき加減で、しばらく安静にしておきましょう。
このとき、氷などで鼻の頭を冷やすとより効果的です。
血管をキュッと引き締めてくれます。
止血を試みてもなかなか止まらない、大量の血が出るなど、症状に不安がある場合は、まず、耳鼻科を受診してみましょう。
出血がひどい場合は、キーゼルバッハ部位の末梢血管を焼き切る治療が行われます。
また、出血の原因が鼻ではなく、他の病気が考えられる場合には、他の専門医を紹介していただけます。
これら、鼻血のメカニズムについて御理解いただけたでしょうか。
子どもによくみられる鼻血ですが、慌てず、正しい応急処置を知っておくことが大切なのですね。